お雑煮にはどんな具を入れる?地域別の違いやレシピをご紹介
作成日: 2022/01/30
新年をお祝いする正月料理に欠かせないお雑煮。お雑煮に入れる具や餅の形、味つけには、関東や関西など地域によってさまざまな違いがあります。
この記事では、日本各地のお雑煮にはどんな違いがあるのか解説します。また地域別のお雑煮レシピについてもご紹介するので、気になるレシピがあればぜひ作ってみてくださいね。
お雑煮について
お雑煮とはどんな食べ物なのでしょうか。ここからはお雑煮の定義や由来についてご紹介します。
お雑煮とは
お雑煮は、一年の豊作と豊漁、また家族みんなが健康に過ごせるようにと願いを込めて食べられる正月料理です。お雑煮の定義は広く、「お餅が入っている汁物」全般のことを指します。汁物に入れるお餅の形や、具材、味つけは、地域や家庭によってそれぞれです。
スーパーなどで簡単に手に入るお餅ですが、昔は儀式やお祭りのある「ハレの日」にのみ食べる特別な食材でした。一年のはじまりであるおめでたい正月に、ふだんはなかなか食べられないお餅を食べてお祝いするようになったことが、お雑煮の風習の始まりです。
お雑煮の由来
お雑煮の語源は、いろいろなものを煮込んだ料理という意味の「煮混ぜ」から派生したといわれています。
地域別のお雑煮の具
地域によってさまざまな違いがあるお雑煮。ここからは、関東地方や関西地方だけでなく日本各地の特徴的なお雑煮についてご紹介します。
関東地方
関東のお雑煮は、かつお出汁をベースにしたあっさりとしたすまし汁が特徴です。地域によって違いがありますが、具材にはおもに鶏肉と小松菜を、また四角い角餅を入れます。
関西地方
関西のお雑煮は、昆布出汁をベースにした甘みのある白味噌仕立てです。具材には里芋の親芋である頭芋を入れることもあり、丸い形の丸餅を入れることが特徴です。
青森県
青森県のお雑煮には、くじら肉(本皮の部分)が入っていることが特徴です。青森県の郷土料理でもあるくじら汁に、お餅を加えたものがお雑煮として食べられます。
広島県
広島県では、特産品の牡蠣や塩ぶりが入ったお雑煮が主流です。ぶりは出世魚で、牡蠣は福を「かき入れる」ことから縁起がよいとされています。お餅は丸餅を使います。
香川県
香川県のお雑煮には、白味噌ベースの出汁にあんこの入った甘い丸あん餅が入っていることが特徴です。一見合わなそうに見える組み合わせですが、白味噌の塩気とあんこの甘さが意外と合うようです。
DELISH KITCHENのおすすめのお雑煮レシピ
ここからは、日本各地のお雑煮レシピをご紹介します。いつものお雑煮もよいですが、気になる味があれば試してみてはいかがでしょうか。
【すまし汁仕立て】
かつおや昆布出汁を効かせたすまし汁仕立てのお雑煮レシピです。
お雑煮
ゆずがさわやかに香る、すまし汁仕立てのお雑煮です。焼いた角餅だけでなく、鶏もも肉やにんじんなど具だくさんです。飾り切りしたかまぼこやゆずの皮、結んだ三つ葉を盛り付けて華やかに仕上げましょう。
関東風お雑煮
香ばしく焼いたお餅とすまし汁が相性のよい、関東風お雑煮のご紹介です。鶏もも肉や大根、にんじんなど淡白な味わいの具が、すまし汁の味わいを引き立てます。三つ葉のさわやかな香りがアクセントになります。
えびのお雑煮
頭つきのえびをのせた豪華な雰囲気のお雑煮はいかがですか。かつお節と昆布でとった出汁にえびの旨みがよく合います。こんがりと焼いた角餅に出汁を染みこませて食べると、箸が止まらなくなるおいしさです。
里芋とかつおぶしの雑煮
縁起のよい里芋入りのお雑煮です。ホクホクとした食感の里芋と味の染みた大根が、出汁を効かせたすまし汁によく合います。香りのよい青のりとかつお節をたっぷりとかけていただきましょう。
ぜんまいとせりのお雑煮
いつものお雑煮とは違う味が試したくなったら、ぜんまいとせりのお雑煮はいかがですか。みりんを効かせた甘みのあるすまし汁に、鶏もも肉の旨みが溶け込んで味わい深いですよ。ぜひチャレンジしてみてください。
【白味噌仕立て】
ここからは、ほんのりとした甘さとやさしい味わいが特徴の、白味噌仕立てのお雑煮レシピをご紹介します。
白みそ雑煮
白味噌仕立ての汁に丸餅や鶏もも肉、にんじん、里芋、三つ葉を入れた具だくさんのお雑煮です。まろやかな白味噌の味わいが、お餅や具に絡んでとてもおいしいです。白味噌があったら、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
関西風雑煮
合わせ出汁に、甘みのある白味噌で味つけした関西風のお雑煮です。里芋や大根、にんじんなど根菜の旨みも一緒に楽しめます。ゆずの香りを効かせた白味噌に、柔らかく煮たお餅がよく合います。
花かつおの白味噌雑煮
まろやかな味わいの白味噌の汁に、華やかに香るかつお節をたっぷりのせたお雑煮です。少ない材料で手軽に作れますよ。お餅をしっかりと煮込むことで、トロッと柔らかい食感が楽しめます。
あんもち雑煮
白味噌の汁にあんもちを入れた、香川県を代表するお雑煮です。煮干しの出汁に溶かした白味噌の塩気とあんもちの甘さが、絶妙にマッチします。野菜は輪切りにして、一年を丸く収められるよう願いを込めましょう。
【その他】
ここからは、長崎県や福岡県のお雑煮や、中華風にアレンジしたお雑煮レシピをご紹介します。
具雑煮(長崎県)
お餅が隠れるくらいの鶏肉やかまぼこなど、具材がたくさん入った長崎県のお雑煮です。かつおと昆布の出汁に干ししいたけの戻し汁を加えることで、奥行きのある味わいに仕上がります。
博多雑煮(福岡県)
旨みたっぷりのあご出汁で作る博多雑煮はいかがですか。出世魚であるブリだけでなく、縁起がよい食材として親しまれているかつお菜が入っていることが特徴です。かつお菜が手に入ったら、ぜひお試しください。
中華風雑煮
ちょっと変わったお雑煮を試したいときは、鶏がらスープの素で作る中華風のお雑煮はいかがでしょうか。香ばしいごま油としょうがの風味を効かせた中華風スープがお餅とよく合います。
お雑煮の具は各地でいろいろ!いつもと違う味わいを楽しもう
お雑煮の出汁や味つけ、具材は日本各地によっていろいろな違いがあります。関東地方はすまし汁に角餅や鶏肉、小松菜を入れますが、関西地方では白味噌ベースの味つけに丸餅や里芋を入れるのが主流です。また青森県や広島県、香川県では珍しい仕様のお雑煮が親しまれています。
なじみのあるお雑煮もよいですが、いつもと違った味わいを楽しんでみるのはいかがでしょうか。ご紹介したレシピもぜひ参考にしてください。