イワシの旬の時期は?種類ごとの特徴や選び方・レシピもご紹介
作成日: 2022/03/19
イワシといえば、手軽に手に入り通年で味わえる魚のひとつです。刺身や煮付け、フライなどの定番料理のほか、さまざまなアレンジで楽しめますが旬の時期はいつなのでしょうか。
この記事では、イワシの種類ごとに特徴や旬を解説するほか、含まれている栄養やレシピなどをご紹介します。
イワシとは
イワシは日本の沿岸に多く生息し、秋から冬にかけて南下、春から夏にかけては北上する回遊魚です。そのため、獲れる時期もさまざまです。種類によっても違いがあるため、一般的には年間を通して漁獲されているといえるでしょう。日本屈指のイワシの水揚港である千葉県銚子漁港や九十九里、片貝港などでも年間を通して漁獲されています。
平たく細長い魚体が特徴で、腹側が銀色、背側が青色の体色を持つ青魚の一種です。体長は種類によって異なりますが小さいもので15cm程度、大きいものでは30cmほどになります。
日本で漁獲されるイワシは「まいわし」「うるめいわし」「かたくちいわし」の3種類です。
イワシの種類ごとの特徴や旬
イワシにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴や旬の時期も異なります。
まいわし
まいわし(真鰯)は、体側の1列もしくは2列に並んだ斑点が特徴のイワシで、大きいものでは体長30cmほどになります。一般的にスーパーや鮮魚店などで販売されているのが、この種類です。
まいわしは、5~6月にかけては関東沖、8~9月にかけては北海道釧路沖などで旬を迎えます。最も脂がのるのは、6月頃の入梅の時期です。この頃に水揚げされるまいわしは「入梅イワシ」と呼ばれています。
生ではとろりとしていて、火を加えるとふっくらとした食感が楽しめるまいわしは刺身、塩焼き、煮付けなどのほか、蒲焼きやつみれ汁、なめろう、さんが焼きなど多くの調理方法で味わうことができます。
うるめいわし
うるめいわしは、体長40cmを超えるものもめずらしくないほど大きくなるイワシです。その名の通り目が大きく、まいわしよりも細長いという特徴があります。
長崎県や宮崎県、三重県など温かい地域での水揚げが多く、脂がのる旬の季節は12~2月です。夏から秋の時期に獲れるうるめいわしは脂が落ちているため、干物を作るのに適しています。
脂が少なくあっさりとしていながらも、濃い旨味を持つ魚です。鮮度が落ちやすいため加熱調理に向いていて、フライやムニエル、焼き物などが適しているほか、干物として食べられています。
うるめいわしについて、詳しくはこちらをご覧ください。
かたくちいわし
ほかのイワシに比べると体長15cmほどと小さいのが、かたくちいわし(片口鰯)です。上あごよりも著しく下あごが小さいという特徴的な口元から、その名がつけられました。
千葉県での水揚げが最も多く、ほかには三重県、茨城県、長崎県、北海道と全国で漁獲され、最盛期は8月と12月です。旬は産地により異なるため年間を通して流通し、産卵の前後を除けば、どの時期でも味のよさを堪能できる魚であるといわれています。
かたくちいわしは、煮干しやアンチョビの原料となるほか、稚魚はちりめんや生しらす、釜揚げしらすなどになることで知られています。また、刺身、塩焼き、干物、天ぷら、フライなども定番の食べ方です。
イワシの栄養
イワシに含まれるおもな栄養をご紹介します。
DHA
イワシに含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)は、脂質を構成する必須脂肪酸の一種です。必須脂肪酸は体内では合成できないため、食物から摂取する必要があります。DHAは脳や神経組織のほか、網膜にも存在する成分です。そのため、神経細胞を活性化させ記憶力や学習能力向上に役立つといわれています。
EPA
イワシにはEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれています。EPAは、IPA(イコサペンタエン酸)と呼ばれることもある成分です。DHAと同様に体内で合成できず、食物からの摂取が必要な必須脂肪酸です。体内の血液の流れをスムーズにし、動脈硬化を予防します。その結果、心筋梗塞や脳梗塞の予防効果が期待できるといわれています。
ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸収促進に関わるなど、骨の成長に重要な役割を持つ脂溶性ビタミンです。また、ビタミンDには過剰な免疫反応を抑え込み、必要な免疫反応を促すという免疫機能を調節する働きがあることが知られています。
カルシウム
人体に最も多く含まれるミネラルがカルシウムです。そのほとんどは歯や骨に存在しています。カルシウムは歯や骨の形成に重要な成分であるため、不足すると骨が十分に成長しなかったり、骨粗鬆症の原因となったりします。また、カルシウムの不足は、高血圧や動脈硬化を引き起こす可能性のあることが分かっています。
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イワシの選び方
新鮮なイワシを見分けるには、いくつかポイントがあります。まずは、目が黒く澄んで充血していないかを確認しましょう。身に光沢があり丸々と太っていて、うろこがついているものを選びます。
目に輝きがあるものや、うろこがついているものは新鮮な証拠です。また、太っていれば脂がのっていると考えてよいでしょう。
イワシの下処理
うろこを取り、頭を落として内臓を取り出すだけなので簡単に下処理できます。イワシを丸ごと使う、煮物や塩焼きにいかがでしょうか。
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DELISH KITCHENのイワシを使ったレシピ
イワシの旨味を堪能できるレシピをご紹介します。
【刺身】
生で食べる旬のイワシは絶品です。
イワシのカルパッチョ
しょうゆとわさびで食べる刺身もおいしいですが、カルパッチョもイワシの旨味を際立たせる食べ方です。脂がのったイワシを、さわやかな風味のレモンと玉ねぎでいただきましょう。
イワシのなめろう茶漬け
刺身をみそやねぎ、しょうがなどと一緒にたたきにしたものがなめろうです。なめろうといえばアジを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、イワシのなめろうも絶品ですよ。
【焼き物・揚げ物】
焼き物や揚げ物もイワシ料理の定番です。
イワシの生姜焼き
こってりとしたしょうが入りのたれが食欲をそそります。開いたイワシに片栗粉をまぶすのがポイント。片栗粉によってたれがよくからみ、ご飯も進みます。
いわしの味噌チーズ焼き
いわしとチーズ、みそが絶妙な味わいを生み出します。みそソースに入れるおろしにんにくが隠し味になります。トースターで簡単にできるので、ぜひ試してみてください。
イワシの大葉梅肉巻き
脂がのったイワシと、梅の風味や酸味は相性抜群です。梅干しの味だけで仕上げるのでシンプルな味わいですが、イワシそのものの旨味が感じられる一品です。
イワシフライ
イワシフライは夕飯のメニューにぴったりです。下味にしょうがを使うと臭みが抜けるだけではなく、風味づけにもなりますよ。レモン汁やお好みの調味料で味わいましょう。
【煮物・汁物】
イワシの旨味を堪能するには、鍋物や汁物もおすすめです。
基本のいわしのしょうが煮
基本のいわしのしょうが煮には、赤唐辛子を加えて味のアクセントに。ご飯によく合う味付けです。簡単なので、イワシをさばくところからチャレンジしてはいかがでしょうか。
イワシのつみれ鍋
手作りのイワシのつみれは絶品です。しょうがを加えて香りよく仕上げました。一緒に入れる野菜にもイワシの旨味が染み込んでいます。下処理の済んだイワシを使うとより簡単ですよ。
いわしのつみれ汁
手づくりのイワシつみれをみそ汁で味わってみましょう。イワシの濃厚な旨味がくせになります。お好みの野菜や豆腐などを入れて、イワシとの相性を楽しんでください。
【麺類】
イワシの旨味が麺にからみます。
イワシのトマトソースパスタ
相性のよいイワシとトマトを使ったパスタです。イワシはフライパンで両面を焼きながらほぐすようにすると、パスタとよくからみますよ。にんにくと唐辛子の風味が食欲をそそる一品です。
いわしの節分蕎麦
節分の日に清めのために食べるのが節分蕎麦です。イワシも節分に食べると邪気を払うとされている食材です。イワシと蕎麦を一緒に食べて無病息災を願いましょう。このレシピではイワシの蒲焼きをトッピングしました。
イワシの旬は種類によって異なる
日本で水揚げされるイワシは、まいわし、うるめいわし、かたくちいわしの3種類です。それぞれ旬は異なりますが、時期をずらせば通年で味わえる魚です。
また、イワシは比較的に下処理も簡単で、いろいろな調理方法で楽しめます。ご紹介したレシピを参考に、旬のイワシを存分に味わいましょう。
【参考】
・厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』オメガ3系脂肪酸
(https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/10.html)
・厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』ビタミンD
(https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/10.html)(2022/03/19)