そばの薬味とは?そばに合うおすすめの薬味もご紹介
作成日: 2022/08/29
独特の風味と喉ごしの良さが人気のそばは、今も昔も人気の麺類です。今回はそばには欠かせない薬味について解説すると共に相性のよい薬味のご紹介や、そばのレシピをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
そばの薬味について
薬味はさまざまな料理に用いられますが、まずはその薬味について解説し、そばの薬味の始まりをご紹介します。
薬味とは
完成した料理に少量添える、香味野菜や香辛料をまとめて薬味といいます。少量でも薬味の持つ特徴によって料理全体に香りを加えたり、酸味や辛味を追加することで料理のおいしさを引き立て、より一層深い味わいに仕上げてくれたりします。また薬味を加えることで、料理そのものだけで摂取できない栄養価を補給する役割もあります。
薬味の歴史
現在のような麺状のそばは江戸時代初期に庶民に広まったとされていますが、当時は冷たいそばが一般的に食べられていました。冷蔵保存の技術がなかった時代、そばは傷みやすいこともあり、薬味のもつ解毒作用を合わせたのが、そばの薬味の始まりとされています。現在は冷たいざるそばはわさびを合わせるのが一般的ですが、江戸時代は大根の持つ効用から「大根おろしのしぼり汁」を用いるのがポピュラーな薬味でした。
そばの薬味の種類
そばは温かい物、冷たい物どちらにも薬味を合わせることがほとんどです。薬味の持つ味の特徴によってそばの味わいの変化が楽しめます。ここでは代表的な薬味のご紹介とそのレシピもご紹介します。
ネギ
冷たいそば、温かいそば、どちらにも使われる最も定番の薬味がネギです。ネギは東日本地域では白ネギ、西日本地域では青ネギが主流です。どちらもネギ独特の辛味がそばの風味を引き立てます。
ネギを薬味に使ったDELISH KITCHENのレシピ
冷水で締めてそばの風味とコシを引き立てたざるそばに、ネギとわさびを薬味に添えたレシピです。だしの風味が広がる甘辛いつけつゆにネギを加えれば、辛味とシャキシャキとした食感でそばがより一層おいしくなりますよ。
わさび
冷たいそばの薬味の定番ともいえるのが、わさびです。すりおろしたわさびはツンと鼻をつく独特の辛味と豊かに広がる華やかな香りが特徴で、味の変化を楽しむことができます。わさびが持つ特有の辛味は加熱すると飛んでしまうので、温かいそばには使われないことがほとんどです。
わさびを薬味に使ったDELISH KITCHENのレシピ
爽やかなわさびの香りと、みょうがの独特な香りが相性のよい、冷やし鶏わさびそばです。具材の下処理と麺をゆでる工程が鍋ひとつで調理でき、めんつゆで味つけしているのでとっても手軽にお作りいただけますよ。
大根おろし
冷たいそば、温かいそばどちらにも使われるのが大根おろしです。わさびがそばの薬味として主流になったのは江戸時代と言われていますが、それまでは大根おろしがそばの薬味の定番でした。
大根おろしを薬味に使ったDELISH KITCHENのレシピ
大根おろしをのせた冷やしおろしそばは、暑い夏の日におすすめです。冷たくツルッと喉ごしのよいそばと、だし汁を含んだ大根おろしでさっぱりと食べられます。
唐辛子
唐辛子も冷たいそば、温かいそばどちらに合わせてもおいしい薬味のひとつです。ピリリと刺激的な辛さが味のアクセントになります。粉状になった一味唐辛子や七味唐辛子がそばによく合います。
唐辛子を薬味に使ったDELISH KITCHENのレシピ
甘辛い煮汁をたっぷりと含んだ、きつね蕎麦はいかがでしょうか。味の染みた揚げはジューシーな仕上がりで、みんなが大好きな味わいですよ。七味唐辛子をかければ、辛味で味が引き締まります。
のり
のりも冷たいそば、温かいそばのどちらにも使われる薬味です。昔はお椀に盛って提供していたもりそばですが、次第に現在のようにざるに盛るように変化していき、ざるそばは器と使われる材料などから高級なそばという位置づけになっていったようです。そのため、もりそばとざるそばを簡単に見分けるための印にのりがのせられるようになりました。刻みのりにも微妙な細さの違いがあり細さによって口当たりも変わります。
のりを薬味に使ったDELISH KITCHENのレシピ
大根おろしと納豆をのせたぶっかけそばをご紹介します。そば、納豆ともに相性抜群の刻みのりの風味が口いっぱいに広がります。お好みでねぎやいりごまを加えてもおいしいですよ。
梅干し
主に冷たいそばに使われることが多い梅干しです。程よい酸味でさっぱりと食べられるので、食欲が落ちる夏場におすすめの薬味です。
梅干しを薬味に使ったDELISH KITCHENのレシピ
山芋のとろろでツルと食べやすい、冷たいぶっかけ蕎麦のレシピです。オクラと梅肉をあらかじめ和えてから、そばにのせることで梅肉がまんべんなくそばに絡みます。卵黄を絡めるとコクが増してさらにおいしくなります。
ミョウガ
ミョウガは、冷たいそば、温かいそばのどちらにも使える薬味です。独特の香りとシャキシャキとした食感が好まれます。
ミョウガを薬味に使ったDELISH KITCHENのレシピ
鮮やかな色合いが食欲をそそる、香味野菜のサラダそばを作ってみましょう。カイワレ大根やネギ、ミョウガなど香味野菜をたっぷりとのせて仕上げました。サラダ感覚で召し上がっていただけるので、簡単ランチにいかがですか。
オクラ
オクラは主に冷たいそばに使われる薬味です。オクラのもつネバネバとした食感がそばに絡みやすいので、ぶっかけそばやネバネバそばには欠かせない薬味です。
オクラを薬味に使ったDELISH KITCHENのレシピ
牛肉でボリューム満点!ねばとろスタミナ蕎麦です。おくら、長芋、納豆などのネバネバ食材とにんにくの風味を効かせた甘辛い牛肉をトッピングしました。一皿できっと大満足いただけること間違いなしのレシピです。
とろろ
長芋や山芋をすりおろしたとろろも冷たいそば、温かいそばどちらに合わせてもおいしい薬味です。だしの風味が口いっぱいに広がるしょうゆベースのそばつゆとよく合います。
とろろを薬味に使ったDELISH KITCHENのレシピ
冷たく冷やしたそばに喉ごしのよいとろろが絡み、最後までさらっと食べられるレシピです。手軽さがうれしい一品です。
大葉(シソ)
大葉は冷たいそば、温かいそば、どちらでも使われる薬味のひとつです。千切りやみじん切りにしてそばに絡めながら大葉の爽やかな香りを楽しむことができます。
しそを薬味に使ったDELISH KITCHENのレシピ
しょうゆベースのそばつゆに変化をつけたい時は、薬味だれがおすすめです。大葉やミョウガなどの香味野菜をみじん切りにしてそばつゆに加えました。ごま油と白すりごまの香ばしい風味も相まってとってもおいしいですよ。
卵
うずらの卵、鶏の卵どちらもそばの薬味としてはよく使われています。生卵を使う場合は卵白を除いて卵黄だけを使うことで、卵のまろやかなコクが楽しめます。
卵を薬味に使ったDELISH KITCHENのレシピ
少ない材料でパッと作れる、月見そばは時間のない時にぴったりのレシピです。生卵のまろやかなコクと、そばの風味が相性抜群。お好みで薬味や具材を加えたアレンジもお楽しみいただけます。
すだち
すだちは冷たいそばによく合います。そばに少し絞るだけで爽やかな酸味と香りがプラスされ、風味が良くなります。
ゆず
香り高いゆずもそばに乗せると相性がよく、柚子胡椒を使う場合もあります。柚子胡椒はそばつゆとの相性が良いので、そばのレシピにはしばしば用いられます。
ゆずを薬味に使ったDELISH KITCHENのレシピ
温かいだしから香る柚子胡椒の香りがたまらない、鶏ゆずそばを作ってみませんか。柚子胡椒の爽やかな柚子の香りとピリリと刺激的な辛味がクセになる味わいで、そばとの相性がバッチリ。鶏もも肉の旨味もお楽しみいただける一品です。
味噌
味噌は江戸時代に一般的であった薬味です。その後しょうゆベースのそばつゆが主流になり、ざるそばであれば、ねぎやわさびが代表的な薬味へと変化しました。
そばに味噌を合わせる時は、香ばしく焼いた焼き味噌を使うのがおすすめです。
くるみ
くるみも江戸時代にはそばの薬味として使われていました。しょうゆベースのそばつゆよりも、香ばしさが引き立つごまだれとよく合います。
花カツオ
花カツオはだし取りだけでなく、そばの薬味としても使うことができます。特に、温かいそばつゆに入れると、かつおの風味が増してそばが一層おいしく感じられます。
その他の薬味
その他にも薬味はまだまだ種類があります。そばと合わせると新しい味の組み合わせが見つかるかもしれません。
・からし
・ニンニク
・カイワレ大根
・玉ねぎ
・ジャコ
・もずく
・コショウ
・バジル
・蓼(タデ)
・あさつきの球
・天かす
・食べるラー油
薬味はそばのおいしさを引き立てる名脇役!
薬味にはさまざまな種類があり、合わせる薬味の特徴によってそばのおいしさが一層引き立ち、味や香りを変化させる名脇役であることが分かりました。いくつかの薬味を組み合わせるとおいしさが変化するので、組み合わせは無限大ですね。
今回は薬味について歴史を元に解説すると共に、そばに薬味を合わせたレシピをご紹介しました。どれもご家庭で作りやすいレシピですので、ぜひ試してみてください。