郷土料理のなめろうとは?ご家庭で作れるレシピもご紹介
作成日: 2021/07/02
居酒屋などで見かける「なめろう」は、魚の旨味と爽やかな薬味がきいた、おかずにもおつまみにもぴったりな魚料理です。
作るのに手間がかかりそうな一品ですが、新鮮な魚を使えばご家庭でも簡単に作れますよ。そのままでも、アレンジしても楽しめる料理で、定番のアジをはじめ、ほかにもさまざまな魚を使うことができます。
この記事では、なめろうについてやさんが焼きとの違い、手軽に作れるレシピをご紹介します。
刺身とはひと味違う、新鮮な生魚の味わいを楽しんでみてはいかがですか。
なめろうについて
なめろうとは
なめろうは、新鮮な魚を使って作る千葉県(房総半島沿岸)の郷土料理です。
別名で「沖なます」と呼ばれることもあります。
いわゆる漁師飯であるなめろうは、釣ったばかりの魚を船の上で調理したことで生まれたと言われています。
また、船上は揺れやすいため、混ぜたときにこぼれにくい、みそが使われたと考えられています。
なめろうは、青魚の三枚おろし(もしくはバカガイ)を、みそ、酒、しょうが、みょうがなどで味付けし、包丁で粘り気が出るまで叩いて作ります。
よく叩くことで味がなじみ、濃厚な味わいと魚の旨味が楽しめます。
名称の由来は、叩いたことで粘り気のあるなめらかな食感になるからという説と、皿についた身までなめるほど美味だったからという説などがあります。
・なめろう
3種類の薬味とみそを混ぜ込む、シンプルでおいしいなめろうです。
濃厚なみその味と爽やかな薬味の風味がきいています。アジの小骨と腹骨はしっかり取り除きましょう。薬味を細かくしておくことで、叩いたときに混ざりやすくなります。
さんが焼きとの違い
さんが焼きは、なめろうを焼いた料理で、ハンバーグのような見た目をしています。
日持ちがしないなめろうを山の家で焼いたことから、さんが焼きという名前がついたと言われています。
そのまま焼いてもこんがりとしておいしいですが、貝殻につめて焼くこともあり、そうすると蒸し焼きのような仕上がりになります。
また、大葉などの葉に包んで焼くこともあります。
なめろうをたくさん作ったときや、ひと味違う魚料理が食べたいときに、さんが焼きを作ってみてはいかがでしょうか。
・アジのさんが焼き
叩いてなめらかにしたアジに大葉を付けてこんがりと焼きます。
さんが焼きは爽やかな薬味と、焼きあげたことによる香ばしい風味が楽しめます。
DELISH KITCHENのなめろうレシピ
さまざまな魚を使っておいしいなめろうを作ることができます。
アジの梅みそなめろう
なめろうに梅干しを使うと、さっぱりとした風味に仕上がります。
梅干しをペースト状にして混ぜると、むらなく全体に味が行き渡ります。梅干しの塩味によってみその量を調整してください。
さっぱりレモンのなめろう
レモン汁を加え、さっぱりと仕上げたなめろうです。
甘くてコクのあるみそと、爽やかな酸味がきいたレモンの相性は抜群です。意外な組み合わせですが、ぜひ一度試してみてください。
ブリなめろう
脂がたっぷりとのったブリを使ったなめろうです。
薬味が全体の味を引き締め、しょうがの風味で飽きずに食べることができます。
鯛のなめろう
あっさりとした味わいの鯛は、なめろうにしてもおいしくいただけます。
クセのない鯛を使うと、生魚の独特な風味が苦手な人も食べやすく仕上がります。
イサキのなめろう
イサキは夏頃に出回り、どんな料理でもおいしくいただける魚です。
しっかりとした味付けの中にイサキの甘味を感じる上品な一品です。
スモークサーモンのなめろう
クリームチーズを混ぜた、なめらかでコクのあるなめろうです。
パリパリとした、いぶりがっこの食感がアクセントになります。洋風な味わいなのでバケットに塗っても楽しめます。
DELISH KITCHENのなめろうを使ったレシピ
そのままでもおいしいなめろうを、ごはんと組み合わせると、また違った味わいが楽しめます。
カンパチのなめろう丼
塩気と薬味がきいたなめろうは、ごはんとも相性抜群です。
丼にすることでごはんとなめろうがよくなじみ、食べごたえのある一品です。
イワシのなめろう茶漬け
あっさりとしたお茶漬けに、味わい深いなめろうを合わせました。
だし汁をなめろうにかけると、魚の脂が溶けだし旨味がさらに増します。濃厚な味わいですが、さらりと食べられる一品です。
なめろうは新鮮な魚を使った千葉の郷土料理
なめろうは、新鮮な生の魚を薬味やみそなどの調味料と一緒に叩いて作る、千葉県の房総半島沿岸の郷土料理です。
刺身を使うと魚をさばく手間もなく簡単に作れるので、ご家庭でも手軽に楽しめます。なめろうに使う魚を購入する際は、新鮮なものか、生食できる刺身用の魚であるかを確認するようにしましょう。
薬味を混ぜることで生魚特有の臭いが苦手な人でも食べやすくなりますよ。薬味を少し粗めに切るとより食べごたえのある食感になります。
おかずやおつまみにはもちろん、ごはんにのせても美味しいなめろうをぜひ味わってみましょう。