
ゆり根とは?旬の時期や下ごしらえ・おすすめのレシピもご紹介
作成日: 2021/08/03
更新日: 2025/10/09
「ゆり根」と聞くと、おせちや京懐石といった高級料理を連想する人も少なくないのではないでしょうか。
しかし、実はゆり根は高級料理ばかりでなく、普段の家庭料理で活躍するアイデアがたくさんつまった食材なのです。
そこで今回は、ゆり根とはどんな野菜か、特徴や含まれる栄養、食べ方、おすすめレシピを一挙にご紹介します。
ゆり根について
ここでは、ゆり根とはどのようなものか、特徴や栄養、食べ方についてみていきましょう。
ゆり根とは
ゆり根は、鬼ユリなどの鱗茎(りんけい)と呼ばれる塊になった球根の部分を指します。
鱗茎は、厳密に言えば根ではなく、鱗片と呼ばれる葉の部分が幾重にも重なってできたものです。
花の部分の「百合」という文字も、この鱗茎の形状からイメージして名付けられたといわれています。
ゆり根は鱗片の重なった様子が「長生き」や「子孫繁栄」などを連想させたことから、昔から縁起物の食材として、おせち料理などお祝い事に重宝されてきました。
ゆり根の旬
ゆり根の主な産地は北海道で、霜が降りる10~12月頃が出荷のピークです。
湿度を一定に保つため、おがくずに包まれた状態で販売されます。
ゆり根の栄養
ゆり根は古くから漢方としても重宝されてきました。
可食部100gあたり、どれくらいの栄養が含まれているのか、生の状態とゆでた状態とに分けてみていきましょう。
《生のゆり根》
・カロリー…119kcal
・炭水化物…28.3g
・食物繊維…5.4g
・カリウム…740mg
・葉酸…77μg
《ゆでたゆり根》
・エネルギー…117kcal
・炭水化物…28.7g
・食物繊維…6.0g
・カリウム…690mg
・葉酸…92μg
【出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)】
ゆり根には毒がある?
園芸種など、一部のゆり科の植物には毒が含まれるものもありますが、市販されている食用のゆり根には、毒は含まれておらず、安心して食べることができます。
ただし、人間には毒でなくても猫などの動物には有害であるという報告もあるので、たとえ食用であってもペットには与えないように注意しましょう。
ゆり根の食べ方
ゆでるとほんのり甘く、芋のようなホクホクとした食感が特徴のゆり根。
おなじみの定番料理としては、茶碗蒸しや炊き込みご飯などに入れるほか、蒸して裏ごししたゆり根を使った皮で具を包み、くずあんをかけた料理「ゆり根饅頭」なども人気です。
ゆり根の下ごしらえ
ゆり根は鱗片が重なり塊になった状態です。
まずは正しい下ごしらえの方法をマスターし、調理に取りかかりましょう。
軽く水洗いしてから鱗片を1枚ずつはがしていき、はがしにくくなったら包丁で根っこを落とし、全部はがします。
はがした鱗片はきれいに水洗いし、黒ずんだ箇所は包丁で削り落とせば、下ごしらえは完了です。
あとは用途に応じて適当な大きさに切り、使用しましょう。
下ごしらえのやり方は、こちらの動画でも確認できます。
ゆり根を使ったデリッシュキッチンのレシピ
ここでは、ゆり根を使ったおすすめレシピを、おつまみ、おかず、主食、おせちの4つに分けてご紹介します。
【おつまみ】
ゆり根のチーズ焼き
下ごしらえしたゆり根とベーコンを耐熱皿に入れ、しょうゆ入りマヨネーズとピザ用チーズをかけてこんがりと焼くだけです。
ホクホク甘いゆり根ととろけるチーズが相性抜群のおいしさです。
ゆり根のバターホイル焼き
ゆり根をしめじやベーコン、バターと一緒にホイルに包んで蒸し焼きにしました。
食材から出た旨味とバターのコク、そしてしょうゆの風味が相まって、箸が止まらないおいしさです。
ゆり根のたらこあえ
レンジで加熱したゆり根に、たらこマヨネーズを和えるだけでできる、簡単副菜をご紹介します。
ほっくりとしたゆり根の食感に、たらこの適度な塩味がマッチしておいしい一品です。
ゆり根と桜海老のはんぺん揚げ
ゆり根がコロコロ入ったはんぺん揚げをご紹介します。
ふわふわした食感と共に、ゆり根のホクホクした食感も楽しめる一品です。ポン酢しょうゆでさっぱりと召し上がれ。
【おかず】
ゆり根のバターオムレツ
バターの風味がたまらない、ゆり根のオープンオムレツをご紹介します。
フライパンに卵液を流したら、ゆっくりと大きくかき混ぜることが、ふわっとした食感に仕上げるポイントです。
ゆり根とホタテのグラタン
ミルキーなホワイトソース仕立てでいただく、ゆり根のグラタンをご紹介します。
コロコロ入ったゆり根の優しい味がソースとよくからんでおいしい一品。ホタテが入ることでより旨味が増し、豪華に仕上がります。
ゆり根と豚肉の中華炒め
ゆり根がコロコロと入った中華炒めをご紹介します。
豚肉にあらかじめ片栗粉をもみ込んでから炒めることで、全体に自然なとろみがつきます。ご飯の上にのせて食べてもおいしいので、お試しください。
牛肉とゆり根の黒こしょう炒め
ゆり根とエリンギの異なる食感が楽しい一品です。
黒こしょうのピリッとした辛味が食欲そそります。牛肉にしっかり下味をつけることで、全体の味が締まっておいしくなります。
【ごはん・パスタ】
ゆり根の炊き込みご飯
ゆり根と調味料を入れて、いつも通り炊飯するだけでできあがります。
ほんのり甘く、ホクホクのゆりねがたっぷり入って、箸が止まらないおいしさ。旬の時期にぜひお試しください。
ゆり根と桜えびの炊き込みご飯
ゆり根の炊き込みご飯に桜えびをプラスし、旨味と彩りをアップさせました。
仕上げに刻んだ大葉をあしらえば、おもてなしにもぴったりの主食が完成です。
ゆり根のそぼろ卵とじあんかけ丼
炒めたゆり根と鶏ひき肉を卵でとじ、優しい味わいの和風あんをかけていただく丼です。
ホクホクのゆり根にトロトロのあんがマッチして、どんどんご飯が進んでしまいそう。
ゆり根とほうれん草のパスタ
ほんのり甘いゆり根の食感がたまらない、オイルパスタをご紹介します。
桜えびをプラスして彩りよく仕上げました。パスタとゆり根は同じ鍋を使い、同時にゆで上がるように時間差で投入することで、効率アップできます。
【おせち】
ゆり根きんとん
ゆり根をゆでて裏ごしし、栗をのせて仕上げたおせち料理にぴったりの一品です。
ゆり根は竹串がスッと通るまでしっかりゆでることで、裏ごししやすく口当たりもよくなります。
花びらゆり根
ゆり根を甘くピンク色に煮て、花びらに見立てました。
キレイに染めるポイントは、鱗片の側面も薄くむくこと。ちょっとした料理のアクセントに、彩りを添えたいときに、ぜひおすすめです。
いつもの料理にゆり根を使ってみよう
加熱するとホクホクとしてほんのり甘いゆり根。
ゆり根の使い道はおせち料理だけにとどまらず、炒め物やグラタン、炊き込みご飯など、いつもの食卓で活躍する食材です。
今回は、ゆり根について下処理方法から使い方、おすすめレシピまで、詳しくご紹介しました。
急に贈答品などで手に入ったときや、どうやって使ったらよいか悩んだ際は、ぜひ参考にしてみてください。