ゆりねとは?下ごしらえからレシピまでご紹介
作成日: 2021/08/03
「ゆりね」と聞くと、おせちや京懐石といった高級料理を連想する人も少なくないのではないでしょうか。
しかし、実はゆりねは高級料理ばかりでなく、普段の家庭料理で活躍するアイデアがたくさんつまった食材なのです。
そこで今回は、ゆりねとはどんな野菜か、特徴や含まれる栄養、食べ方、おすすめレシピを一挙にご紹介します。
ゆりねについて
ここでは、ゆりねとはどのようなものか、特徴や栄養、食べ方についてみていきましょう。
ゆりねとは
ゆりねは、鬼ユリなどの鱗茎(りんけい)と呼ばれる塊になった球根の部分を指します。
鱗茎は、厳密に言えば根ではなく、鱗片と呼ばれる葉の部分が幾重にも重なってできたものです。
花の部分の「百合」という文字も、この鱗茎の形状からイメージして名付けられたといわれています。
ゆりねは鱗片の重なった様子が「長生き」や「子孫繁栄」などを連想させたことから、昔から縁起物の食材として、おせち料理などお祝い事に重宝されてきました。
ゆりねの主な産地は北海道で、霜が降りる10~12月頃が出荷のピークです。
湿度を一定に保つため、おがくずに包まれた状態で販売されます。
ゆりねの栄養
ゆりねは古くから漢方としても重宝されてきました。
可食部100gあたり、どれくらいの栄養が含まれているのか、生の状態とゆでた状態とに分けてみていきましょう。
《生のゆりね》
・カロリー…119kcal
・炭水化物…28.3g
・食物繊維…5.4g
・カリウム…740mg
・葉酸…77μg
《ゆでたゆりね》
・エネルギー…117kcal
・炭水化物…28.7g
・食物繊維…6.0g
・カリウム…690mg
・葉酸…92μg
【出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)】
ゆりねには毒がある?
園芸種など、一部のゆり科の植物には毒が含まれるものもありますが、市販されている食用のゆりねには、毒は含まれておらず、安心して食べることができます。
ただし、人間には毒でなくても猫などの動物には有害であるという報告もあるので、たとえ食用であってもペットには与えないように注意しましょう。
ゆりねの食べ方
ゆでるとほんのり甘く、芋のようなホクホクとした食感が特徴のゆりね。
おなじみの定番料理としては、茶碗蒸しや炊き込みご飯などに入れるほか、蒸して裏ごししたゆりねを使った皮で具を包み、くずあんをかけた料理「ゆりね饅頭」なども人気です。
ゆりねの下ごしらえ
ゆりねは鱗片が重なり塊になった状態です。
まずは正しい下ごしらえの方法をマスターし、調理に取りかかりましょう。
軽く水洗いしてから鱗片を1枚ずつはがしていき、はがしにくくなったら包丁で根っこを落とし、全部はがします。
はがした鱗片はきれいに水洗いし、黒ずんだ箇所は包丁で削り落とせば、下ごしらえは完了です。
あとは用途に応じて適当な大きさに切り、使用しましょう。
下ごしらえのやり方は、こちらの動画でも確認できます。
ゆりねを使ったDELISH KITCHENのレシピ
ここでは、ゆりねを使ったおすすめレシピを、おつまみ、おかず、主食、おせちの4つに分けてご紹介します。
【おつまみ】
ゆりねのチーズ焼き
下ごしらえしたゆりねとベーコンを耐熱皿に入れ、しょうゆ入りマヨネーズとピザ用チーズをかけてこんがりと焼くだけです。
ホクホク甘いゆりねととろけるチーズが相性抜群のおいしさです。
ゆりねのバターホイル焼き
ゆりねをしめじやベーコン、バターと一緒にホイルに包んで蒸し焼きにしました。
食材から出た旨味とバターのコク、そしてしょうゆの風味が相まって、箸が止まらないおいしさです。
ゆりねのたらこあえ
レンジで加熱したゆりねに、たらこマヨネーズを和えるだけでできる、簡単副菜をご紹介します。
ほっくりとしたゆりねの食感に、たらこの適度な塩味がマッチしておいしい一品です。
ゆりねと桜海老のはんぺん揚げ
ゆりねがコロコロ入ったはんぺん揚げをご紹介します。
ふわふわした食感と共に、ゆりねのホクホクした食感も楽しめる一品です。ポン酢しょうゆでさっぱりと召し上がれ。
【おかず】
ゆりねのバターオムレツ
バターの風味がたまらない、ゆりねのオープンオムレツをご紹介します。
フライパンに卵液を流したら、ゆっくりと大きくかき混ぜることが、ふわっとした食感に仕上げるポイントです。
ゆりねとホタテのグラタン
ミルキーなホワイトソース仕立てでいただく、ゆりねのグラタンをご紹介します。
コロコロ入ったゆりねの優しい味がソースとよくからんでおいしい一品。ホタテが入ることでより旨味が増し、豪華に仕上がります。
ゆりねと豚肉の中華炒め
ゆりねがコロコロと入った中華炒めをご紹介します。
豚肉にあらかじめ片栗粉をもみ込んでから炒めることで、全体に自然なとろみがつきます。ご飯の上にのせて食べてもおいしいので、お試しください。
牛肉とゆりねの黒こしょう炒め
ゆりねとエリンギの異なる食感が楽しい一品です。
黒こしょうのピリッとした辛味が食欲そそります。牛肉にしっかり下味をつけることで、全体の味が締まっておいしくなります。
【ごはん・パスタ】
ゆりねの炊き込みご飯
ゆりねと調味料を入れて、いつも通り炊飯するだけでできあがります。
ほんのり甘く、ホクホクのゆりねがたっぷり入って、箸が止まらないおいしさ。旬の時期にぜひお試しください。
ゆりねと桜えびの炊き込みご飯
ゆりねの炊き込みご飯に桜えびをプラスし、旨味と彩りをアップさせました。
仕上げに刻んだ大葉をあしらえば、おもてなしにもぴったりの主食が完成です。
ゆりねのそぼろ卵とじあんかけ丼
炒めたゆりねと鶏ひき肉を卵でとじ、優しい味わいの和風あんをかけていただく丼です。
ホクホクのゆりねにトロトロのあんがマッチして、どんどんご飯が進んでしまいそう。
ゆりねとほうれん草のパスタ
ほんのり甘いゆりねの食感がたまらない、オイルパスタをご紹介します。
桜えびをプラスして彩りよく仕上げました。パスタとゆりねは同じ鍋を使い、同時にゆで上がるように時間差で投入することで、効率アップできます。
【おせち】
ゆりねきんとん
ゆりねをゆでて裏ごしし、栗をのせて仕上げたおせち料理にぴったりの一品です。
ゆりねは竹串がスッと通るまでしっかりゆでることで、裏ごししやすく口当たりもよくなります。
花びらゆりね
ゆりねを甘くピンク色に煮て、花びらに見立てました。
キレイに染めるポイントは、鱗片の側面も薄くむくこと。ちょっとした料理のアクセントに、彩りを添えたいときに、ぜひおすすめです。
いつもの料理にゆりねを使ってみよう
加熱するとホクホクとしてほんのり甘いゆりね。
ゆりねの使い道はおせち料理だけにとどまらず、炒め物やグラタン、炊き込みご飯など、いつもの食卓で活躍する食材です。
今回は、ゆりねについて下処理方法から使い方、おすすめレシピまで、詳しくご紹介しました。
急に贈答品などで手に入ったときや、どうやって使ったらよいか悩んだ際は、ぜひ参考にしてみてください。