ゼラチンの正しい使い方をご紹介!おすすめレシピも!
作成日: 2021/08/06
ゼラチンはスーパーでも簡単に手に入る身近な食材のひとつです。
ゼラチンといえばゼリーの材料というイメージですが、実はさまざまなスイーツが作れます。また、ちょっとしたコツを意識すると、ゼラチンの特徴が活きる仕上がりになりますよ。
この記事では、ゼラチンの特徴や正しい扱い方をはじめ、おうちでも簡単に作れるゼラチンを使った絶品スイーツをご紹介します。
ゼラチンについて
まずはゼラチンについてみていきましょう。
ゼラチンとは
ゼラチンはたんぱく質が主成分で、原料は動物の骨や皮に含まれるコラーゲンです。
通常、コラーゲンそのものが水に溶けることはありません。
しかし、加熱することで溶けやすい水溶性のたんぱく質に変性し、ゼラチンとなります。
ゼラチンの特徴
ゼラチンは温めると溶けて(ゾル化)冷やすと固まり(ゲル化)、ゾル化とゲル化を繰り返し行えることが特徴です。
この性質を利用して、料理やお菓子作り、医療品や工業用品など幅広い分野で使われています。
なお、ゼラチンが固まる温度は20℃以下で、25℃くらいになると溶解するため夏場は注意が必要です。
体温で溶けるゼラチンは寒天と比べて口溶けがよく、消化吸収にも優れているので、幼児や高齢者でも摂取しやすい食材です。
寒天との違い
寒天の原料はテングサやオゴノリなどの海藻です。
寒天は40~50℃で固まり、70℃まで溶けないため常温で固められます。
ゼラチンと比べると凝固力が強く、プルンとした弾力や透明感はありません。
歯切れがよく、なめらかな食感が特徴で、杏仁豆腐や水ようかんなどに使われています。
アガーとの違い
アガーの原料はツノマタやスギノリなどの海藻のほか、地中海原産のカロブというマメ科の植物の抽出物です。
使用する際は加熱して溶かしますが、常温で固まります。
また、ゼラチンよりも溶け出しにくく、夏場の常温でも溶け出しません。
透明感と、なめらかな舌触りが特徴です。
アガーについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
ゼラチンの種類・選び方
ゼラチンには、粉ゼラチンと板ゼラチンの2種類があります。
それぞれの特徴や選び方を確認してみましょう。
粉ゼラチン
粉ゼラチンは粉状になっているのが特徴で、一般的に多く流通している種類です。
水でふやかしてから加熱して使用します。
基本的にはゼラチンの5倍の分量の水でふやかし、ゼラチンに対して使用する水分量が一定なので微調整しやすいのがメリットです。
ただし、水の量が少なかったり、ふやかす時間が短かったりするとダマになってしまうため注意しましょう。
粉ゼラチンはお菓子や料理だけでなく、飲みものなど幅広く使えます。
ふやかす手間がかからない顆粒タイプもありますよ。
板ゼラチン
板ゼラチンは薄い板状に加工されたゼラチンで、1枚1枚が半透明のシートになっているのが特徴です。
1枚の重量が統一されているため計量する手間が省けますが、微調整はしにくいでしょう。
グレードの高い板ゼラチンを使用すると、透明感のある仕上がりになるうえに食感がなめらかになります。
グレードによっては粉ゼラチンよりもしっかり固まり食感がよく透明感が出ることと、簡単に計量ができることからプロや業務用で使われることも多い種類です。
ゼリーやムースなど、お菓子作りでよく使われます。
ゼラチンの扱い方
ゼラチンは基本的に、パッケージに記載されている使い方を参考にします。
ここからは、ゼラチンの扱い方のポイントをご紹介します。
なお、こちらのページでも粉ゼラチンの使い方を詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
ふやかすときのポイント
《粉ゼラチン》
粉ゼラチンは、ふやかすときにダマを作らないように扱うのがポイントです。
ダマになりやすく、一度ダマになってしまうとベースとなる液に入れても溶けずに残ってしまいます。
そこで、粉ゼラチンは水に振り入れて戻しましょう。
粉ゼラチンに水をかけると、水が全体に行き渡らないからです。
水に振り入れるときは、全体をふやかせるように少しずつ入れます。
一気に入れるとダマになりやすく、ゆっくり過ぎると最後のゼラチンまで水が行き渡らないため、調整しながら振り入れていきましょう。
《板ゼラチン》
板ゼラチンはたっぷりの冷水に浸して戻します。
ただし、水の温度が高いとゼラチンが溶けてしまうため注意しましょう。
夏場は氷水を使うのがおすすめです。
溶かすときのポイント
粉ゼラチン・板ゼラチンともに50~60℃程度で溶かします。
ゼラチンの主成分であるたんぱく質は熱に弱く、これ以上高温になると変質して固まりにくくなってしまうため、湯せんに使用するお湯やベースの液体温度には注意が必要です。
固めるときのポイント
ゼラチンの凝固温度は20℃です。
寒天は常温で固められますが、ゼラチンは冷蔵庫に入れて固めなければいけません。
固まるまでに3~6時間程度かかるので、冷蔵庫でしっかり冷やして固まってからいただきましょう。
夏場は常温でも溶けだすため、いただく直前まで冷蔵が必要です。
固まらない原因
溶かすときの温度が高温になっていたり、特定のフルーツを使ったりするとゼラチンは固まりません。
特定のフルーツとはパイナップルやパパイヤ、キウイフルーツ、イチジクなどです。
これらはたんぱく質分解酵素を含んでおり、生のまま使用するとゼラチンが分解されて固まらなくなります。
これらのフルーツとゼラチンを一緒に使用する際は、缶詰を使うか加熱して酵素の働きを止めておきましょう。
ゼラチンを使ったDELISH KITCHENのレシピ
ゼラチンを使ったスイーツのレシピをご紹介します。
【プリン】
豆乳プリン
卵不使用のなめらか食感豆乳プリンです。
あっさりした豆乳とコクのある黒蜜がベストマッチ。黒蜜は後からかけるので、調整できるのもうれしいですね。
チョコババロアプリン
材料を混ぜて冷やすだけで作れるチョコババロアプリンです。
ゼラチンならではのプルプル感がたまりません。簡単な工程なので子供と一緒に作れます。
スパイダーかぼちゃプリン
かぼちゃプリンもゼラチンで作ることができます。
かぼちゃを裏ごしして、なめらかな舌触りに仕上げましょう。ハロウィンメニューにもおすすめです。
抹茶プリン
濃厚な抹茶プリンもゼラチンなら手軽においしく作れます。
生クリームを加えるのでまろやかな舌触りに仕上がりますよ。ちょっと贅沢なおやつにいかがですか。
杏仁豆腐風プリン
牛乳にアーモンドエッセンスを加えて、杏仁豆腐風のプリンを作りましょう。
みかんの缶詰をトッピングすれば、目でも楽しめる立派なおもてなしスイーツです。
【ゼリー】
いちごミルクゼリー
子供も喜ぶ、とってもキュートないちごミルクゼリーです。
生のいちごを材料と一緒にミキサーにかければ、あっという間に作れます。真っ赤ないちごとミントがアクセント。
みかんゼリー
材料は、みかん缶と粉ゼラチンがあれば作れるみかんゼリーです。
レンジで加熱するので火を使いません。ゼラチンが余ってしまったときにも気軽に作れます。
オレンジゼリー
こちらのゼリーもオレンジジュースとゼラチンのみで作れます。
大きめの型やタッパーがなくても、オレンジジュースが入っていた紙パックに入れて固められますよ。
ヨーグルトゼリー
食後のデザートにもぴったりなさわやかヨーグルトゼリーです。
レンジで加熱してササっと作れるのもうれしいポイントです。甘いものが苦手な方もさっぱりいただけますよ。
コーヒーゼリー
インスタントコーヒーを使った、大人のコーヒーゼリーです。
ほろ苦いコーヒーゼリーに甘い生クリームを添えて、カフェメニューのようなスイーツをお楽しみください。
【その他のデザート】
パンナコッタ
濃厚な味わいが魅力のパンナコッタに挑戦してみましょう。
手間がかかりそうですが、実は牛乳や生クリームにゼラチンを混ぜて固めるだけで作れるスイーツです。
チーズムース
クリームチーズのさわやかな風味でいくらでも食べられそうなチーズムースです。
本格的なムースもゼラチンがあれば簡単です。お友達を招いたティーパーティーにもどうぞ。
チョコムースケーキ
ゼラチンで作るチョコムースケーキは、しっとりまろやかな口当たりを満喫できます。
チョコレートと生クリームをふんだんに使い、一度食べたらやめられなくなってしまうかも。
パンプキンプリンタルト
オーブンがなくてもゼラチンで作れるパンプキンプリンタルトです。
材料はミキサーで攪拌するので手間いらず。ケーキ屋さんにも負けないスイーツです。
ゼラチンを使っておうちで絶品スイーツに挑戦しよう!
ゼラチンを使えば、手間のかかりそうなスイーツも簡単に作れます。
粉ゼラチンと板ゼラチンの2種類があるので、それぞれの特徴に合わせて使い分けるのもおすすめです。
今回ご紹介したレシピは、どれも簡単なのにおいしく作れます。
解説したゼラチンの扱い方を意識しながら挑戦してみてください。子供のおやつにはもちろん、おもてなしスイーツにもおすすめです。