ぎんなんにはどんな栄養がある?おすすめレシピもご紹介
作成日: 2021/09/29
加熱してシンプルに塩で食べても、茶碗蒸しなどの具材にしてもおいしい「ぎんなん」。
独特の食感で、食べ始めると止められなくなってしまいますよね。ところで、ぎんなんにはどのような栄養が含まれているのでしょうか。
この記事では、ぎんなんの特徴や栄養などについて解説します。
また、ぎんなんの下ごしらえやおすすめレシピもご紹介するので、参考にしてみてください。
ぎんなんについて
まずは、知っているようで実はよく分からない、ぎんなんの特徴について確認してみましょう。
ぎんなんとは
ぎんなんは、イチョウの種子の中身です。
イチョウはイチョウ科イチョウ属の植物で、恐竜がいた時代から存在していたのだとか。氷河期も乗り越えて生息し続けていることから、「生きた化石」とも呼ばれています。
イチョウの木が日本に渡ってきたのは室町時代のころです。
ぎんなんは、独特の臭いを放つ黄色い実に包まれていますが、黄色い実は果肉ではありません。イチョウは裸子植物なので、黄色い実の全体が種です。
果肉だと思われがちな黄色い部分は外種皮、殻に包まれたぎんなんは核の部分です。
わたしたちは核の中身である、仁の部分を食べています。
ちなみに、イチョウには雄の木と雌の木があり、種子をつけるのは雌の木だけです。
ぎんなんの旬
ぎんなんは、イチョウが色づく初秋から落葉が始まる初冬くらいまで収穫でき、秋に旬を迎えます。
収穫できるようになる最初の時期のぎんなんは、青くて独特の臭いもほとんどありません。
公園や街路樹のぎんなんが、地面にたくさん落ちている時期がまさに旬の時期です。
落ちているものとはいえ、その場所が私有地の可能性もあるため、勝手に拾うことは避けましょう。
ぎんなんの産地
ぎんなんの主な産地は、大分県や愛知県となっています。
ぎんなんの栄養
ぎんなんには、どのような栄養が含まれているのかも気になりますよね。
ここで、ぎんなんの栄養をご紹介します。
栄養
生のぎんなん、100gあたりに含まれている主な栄養は以下の通りです。
・カロリー…168kcal
・炭水化物…34.8g
・たんぱく質…4.7g
・食物繊維…1.6g
・脂質…1.6g
ぎんなんにはたんぱく質のほか、炭水化物も多く含まれているようです。
また、脂質や食物繊維も含まれています。
ミネラル
ぎんなんにはミネラルが含まれています。
ミネラルは体内で合成できないため、食事からとらなければならない栄養のひとつです。
ミネラルの種類は複数あり、お互いに吸収や働きに影響をあたえ合うことから、バランスよくとることが大切です。
生のぎんなん、100gあたりに含まれるミネラルは以下の通りです。
・カリウム…710mg
・カルシウム…5mg
・マグネシウム…48mg
・リン…120mg
・マンガン…0.26mg
・ヨウ素…2μg
・モリブデン…3μg
・鉄…1.0mg
・銅…0.25mg
・亜鉛…0.4mg
ぎんなんには、さまざまな種類のミネラルが含まれていることが分かります。
カリウムやカルシウム、マグネシウムといった聞き慣れているミネラルだけでなく、マンガンやモリブデンなどの聞き慣れない種類のミネラルも含まれているようです。
【出典:日本食品標準成分表 2020年版(八訂)】
ぎんなんは食べ過ぎに注意
ぎんなんには、ビタミンB6の働きを阻害する有毒成分(4-o-メチルピリドキシン)が含まれています。
一度に多く食べると嘔吐、けいれんなどの中毒症状が出現することがあります。
有毒成分(4-o-メチルピリドキシン)は、熱に強く、加熱調理しても消失しません。
おいしいからといって食べ過ぎないよう十分注意しましょう。
また、料理を楽しむにあたり下記リンク先の「ぎんなんの食べ過ぎによる食中毒防止」をご覧ください。
https://help.delishkitchen.tv/hc/ja/articles/900007469823
【参照:公益財団法人 日本中毒情報センター】
(https://www.j-poison-ic.jp/report/171030/)(2021/09/29)
ぎんなんの選び方
ぎんなんを選ぶ際は大きめで表面にツヤがあり、白いものを選びます。
振ってみてコロコロと音がしないものは実がつまっているので、手に取って確認できる場合は振ってみるのがおすすめです。
ぎんなんは、殻つきのまま新聞紙や紙袋などに入れて冷蔵庫で保存ができます。
殻つきのまま保存していても、日数が経過すると黄色くなってくるため、青いぎんなんが好きな場合は早めに食べましょう。
ぎんなんの下ごしらえ
ぎんなんは下ごしらえが難しそうなイメージがあるかもしれませんが、コツを掴めば簡単です。
ここからは、ぎんなんの下ごしらえの方法を2つご紹介します。
下処理
ぎんなんの殻は、キッチンバサミの持ち手部分ではさむと割れます。
力を入れすぎると中身が崩れてしまうため、軽い力で挟むのがポイントです。
硬い殻自体が薄皮に包まれている場合は、しばらく水に浸しておくことで簡単に薄皮がむけるようになりますよ。
中身を取り出したら、わかしたお湯に入れて、ぎんなんをおさえながら混ぜましょう。
詳しくは、こちらでご紹介しています。
薄皮のむき方
こちらはぎんなんの薄皮のむき方です。
ボウルにぎんなんと水を入れてしばらく置き、おたまの底をぎんなんに当てて薄皮がはがれてくるまで転がします。
とても簡単なうえに、ぎんなんを水に浸けている間にほかの料理にも取りかかれます。
こちらの動画も合わせてご覧ください。
ぎんなんの食べ方とDELISH KITCHENのレシピ
最後に、ぎんなんを使ったおすすめレシピをご紹介します。
シンプルに食べるほか、せっかくならアレンジをしていろいろなぎんなんを楽しみましょう。
【副菜】
まずは手軽に作れる副菜のレシピです。
塩炒り銀杏
ぎんなんをシンプルに食べる、覚えておきたい塩炒りのレシピです。
殻に割れ目を入れたら鍋に塩とぎんなんを入れて、ときどき鍋をゆすりながら加熱をします。香ばしい香りが漂い、素材の味そのものを満喫できますよ。
ササっとできるので、食卓が寂しいと感じたときにも手軽に作れます。
ぎんなん塩こんぶ
ぎんなんをごま油や塩昆布で炒めました。
ごま油の風味と塩昆布の旨味がからみつき、しっかりした味わいになります。副菜にはもちろん、ビールのお供にもぴったりです。仕上げに七味をふれば、ピリッとした大人の刺激も加わりますよ。
ぎんなんは、薄皮をむくところまで下ごしらえをしてから使いましょう。
銀杏のかき揚げ
ぎんなんは揚げてもおいしく食べられます。
こちらは甘味のあるたまねぎや、歯ごたえのあるにんじんと組み合わせたかき揚げです。緑色のぎんなんが彩りを添えるだけでなく、食感の変化も楽しめます。
ぎんなんを加えるだけで、いつものかき揚げがワンランク上の仕上がりになりますよ。ぎんなんは下ごしらえをしてから使いましょう。
れんこんまんじゅう
こちらはぎんなんの水煮を使ったレシピです。
すりおろしたれんこんの食感のなかに感じる、プリプリのえびがアクセントになります。和風顆粒だしの優しい味わいがマッチするれんこんまんじゅう。ぎんなんをちょこんと添えると見栄えもアップします。
本格的な小料理屋さんで食べられるような上品な副菜です。
【主菜】
ぎんなんは主菜にも使えます。
鶏肉と銀杏の中華炒め
オイスターソースやしょうゆで味付けをする中華炒めです。
ゴロッとした鶏もも肉がたっぷり入り、食べごたえ満点の仕上がりに。緑色のピーマンや黄色のぎんなんがカラフルで食欲をそそります。
ご飯にもよく合い、ついつい手が止まらなくなってしまいそうですが、ぎんなんばかり食べないように気を付けましょう。ぎんなんは下ごしらえをしてから使います。
豆腐の銀杏あんかけ
下ごしらえ済みのぎんなんを、豆腐やえびと一緒にあんかけでいただきます。
香り豊かな三つ葉も加えて本格的にしてみました。ふわふわの豆腐にプリっとしたえび、ほくほくのぎんなんの食感を一度で味わえます。
とろみをつけてあるため、あっさりとしただしが具材にしっかりからみます。アツアツのあんがたっぷりで、寒い日にもおすすめです。
金目鯛のあんかけ煮
ぎんなんの水煮を使って金目鯛のあんかけ煮を作りました。
金目鯛の鮮やかな赤にぎんなんの黄色、いんげんの緑など色彩が豊かでテーブルを華やかにしてくれます。
金目鯛は縁起がよいので、お家でお祝いをする際のメニューにもいかがですか。にんじんをもみじ型に切れば、秋の雰囲気も高まります。
【ご飯物】
ぎんなんとご飯を一度に食べられる、炊き込みご飯やちまきのレシピもあります。
銀杏としめじの炊き込みご飯
下ごしらえをしたぎんなんに、しめじや桜えびを組み合わせました。
調味料が酒と塩のみとシンプルなのは、それぞれの素材に旨味がたっぷりあるから。口に入れた瞬間に桜えびの風味がふわっと広がります。
きのこの炊き込みおにぎり
秋の味覚がつまった炊き込みご飯は、ぎんなん、しめじ、まいたけのほかホタテ缶も使います。
ぎんなんも水煮を使用しているので、下ごしらえの手間がかかりません。ご飯を炊き込む際は、水や調味料と一緒にホタテ缶の缶汁も入れましょう。
きのこはお好みで組み合わせたり、もち米も使っておこわ風にするのもよいですよ。
中華五目ちまき
手軽に料理に取り入れることができる、水煮のぎんなんを使います。
もち米を使い、冷めてもモチモチ食感を味わえる仕上がりにしました。鶏もも肉やしいたけなど、具材をたくさん入れた満足できる一品。香り、味わい、食感のどれをとっても絶品なちまきです。
秋の味覚ぎんなんを楽しもう!
ぎんなんはイチョウの種子の中心、仁という部分であることが分かりました。
イチョウの葉が色づく頃から収穫ができる食材で、さまざまなミネラルが含まれています。
おいしいうえに、パクパク食べられるサイズ感なのでつい手が伸びてしまいますが、食べ過ぎには注意しなければいけません。
食べる量を意識しつつ、今回ご紹介したレシピでいろいろなぎんなんを楽しんでみてください。