DELISH KITCHEN

おばんざいとはどんな料理?おすすめレシピや京野菜をご紹介

作成日: 2021/10/19

「おばんざい」と聞いてどのような料理を思い浮かべるでしょうか。「京都の料理かな?」と想像がつく方もいらっしゃるかも知れませんが、具体的には分からない方も多いことでしょう。

そこで今回は「おばんざい」の特徴やおばんざいに使用される代表的な京野菜をご紹介します。

目次

  1. おばんざいについて
    1. おばんざいとは
    2. おばんざいの意味
  2. おばんざいの特徴
    1. 旬の京野菜を使う
    2. 素材のもち味を生かした味わい
    3. 栄養バランス
  3. DELISH KITCHENのおばんざいレシピ
    1. 京風おばんざい!オクラと湯葉のおひたし
    2. 箸休めに!菜の花の煮浸し
    3. やさしさがしみ渡る!若竹煮
    4. 手軽にアレンジ!かぼちゃのいとこ煮
    5. 食卓のアクセントに♪たこと九条ねぎの酢味噌和え
    6. だしが香る♪壬生菜と油揚げのさっと煮
    7. 肉厚で食べ応え抜群♪賀茂なすの揚げ浸し
    8. 甘みが強く食べやすい♪万願寺とうがらしのカリカリじゃこがけ
    9. トロトロとろける!聖護院大根の煮物
  4. おばんざいとは伝統のある料理

おばんざいについて

まずは「おばんざい」についてご説明します。

おばんざいとは

「おばんざい」とは京都の常の日のお惣菜のことを言います。祖母から母、母から娘へと受け継がれてきた京都の家庭料理です。

旬の京野菜など季節の食材を使い、和え物・煮物、揚げびたしなど素材の味を活かしたシンプルな味付けで仕上げます。
身近な食材で手間をかけずに無駄なく使い切ることもおばんざいの特徴です。

おばんざいの意味

おばんざいとは「京都の一般的な家庭で作られる日常的な惣菜」のことです。漢字では「お番菜」が一般的ですが「お晩菜」「お万菜」と表現されることもあります。

お番菜の「番」は「常用、粗末な」を示し番茶、番傘などに用いられています。また、「菜」は「おかず」を示す言葉です。かつての京都は新鮮な魚介類が手に入りにくかったため、身近な野菜や乾物を無駄なく使い切る「お番菜」が日常的な家庭料理として普及しました。

おばんざいの特徴

京都で親しまれてきた家庭料理「おばんざい」の特徴についてご紹介します。

旬の京野菜を使う

おばんざいは四季折々の旬の野菜を中心に使われています。京野菜と言われる地元で育てられた野菜がその代表です。旬の野菜を取り入れることで料理からも季節を感じられる点もおばんざいの特徴です。

ここでいくつか代表的な京野菜をご紹介します。

・聖護院だいこん
大きな丸い形が特徴の聖護院だいこんは京都の冬に欠かせない野菜の一つです。肉質がしまっていて煮崩れしにくいので煮物に適しています。煮込むことでとろりとした味わいになり、おでんやふろふき大根におすすめです。


・みず菜(水菜) 
京菜とも呼ばれる水菜は京都を中心に栽培されている冬が旬の野菜です。アクが弱く生でもおいしく食べられるため、生野菜が不足しがちな冬にサラダや和え物に重宝します。

水菜について、詳しくはこちらもご覧ください。

・壬生菜
現在の中京区・壬生寺付近で多く作られてきた壬生菜は水菜と同じく京菜とも呼ばれています。

株から茎や葉が伸びる姿は水菜と同じですが、葉は水菜のようなギザギザがなく丸みを帯びています。また、味も水菜とは違い少しピリッとした辛味があるのが特徴です。

・賀茂なす
賀茂なすは昔から京都の北区上賀茂で作られてきた丸なすの一種です。肉質は緻密でやわらかく煮崩れしにくいという特徴があります。

煮物や田楽に使われることが多く、加熱することでとろけるような食感を味わえます。

・鹿ケ谷かぼちゃ
鹿ケ谷かぼちゃはひょうたんに似た形で表面にあるぼこぼことしたコブが特徴です。淡白な味わいで甘みはあまりありませんが、煮崩れしにくく肉質が緻密なため出汁を効かせた煮物に適しています。

7月中旬頃から8月中旬にかけて収穫されますが、食べごろになるのはその1ヶ月後が目安です。

・万願寺とうがらし 
万願寺とうがらしは大正時代に京都府舞鶴市万願寺で誕生した京野菜です。「とうがらし」と名に付きますが、辛味は全くありません。形や色はししとうやピーマンに似ていますが、果肉は大きくて肉厚で柔らかいため、辛味や苦みが苦手な方にも食べやすい野菜です。

万願寺とうがらしについて、詳しくはこちらもご覧ください。

・えびいも
反った形と縞模様がえびに似ているえびいもは里芋の一種で、晩秋から冬にかけて収穫される京野菜です。えびのような形にするためには技術と手間が必要で、煮崩れしにくく味も優れている点から高級品として扱われています。

棒鱈と一緒に炊いた「いもぼう」は京都の伝統的なおばんざいで、えびいものねっとりとした食感と甘みを味わえます。

・九条ねぎ 
九条ねぎは甘みと内部のぬめりが特徴の青ネギで、浅黄種と黒種の2種類に分けられます。浅黄種は枝分かれしやすい細ねぎで、薬味や焼きねぎに向いています。黒種は色が濃く太めなので鍋や炒め物など過熱する調理にもおすすめです。

九条ねぎについては、詳しくはこちらもご覧ください。

・くわい 
くわいは大きな芽がしっかり上に向かって伸びることが特徴の京都の伝統野菜です。その芽の姿から「めでたい(芽出たい)」「向上する」といった願いがこめられ、おめでたいおせち料理に欠かせません。

くわいはおせち料理に入れる時の煮物以外にもさまざまな調理方法があります。詳しくはこちらもご覧ください。

素材のもち味を生かした味わい

おばんざいは余計な調味料を使わず、昆布や鰹節のだしで食材本来のうま味を引き立てた調理方法で作られます。旬の食材が持つ素材そのもののおいしさは、控えめな味付けにより一層おいしさが際立ちます。

「素材の味を楽しむ」ということはシンプルなようでとても贅沢なことです。家庭料理であるおばんざいはだしを使うことで素材のもち味を活かし、飽きることなく日々の食卓を彩ります。

栄養バランス

おばんざいは旬の野菜を中心に作られた家庭料理です。生の野菜の場合、一度にあまり多く食べられませんが、おばんざいは「煮る、茹でる、和える」といった調理方法が多いためさまざまな野菜をしっかり食べることができます。

旬の野菜から食物繊維、ビタミン、ミネラルをおいしく摂取できるため、おばんざいは京都の方だけでなく栄養が偏りがちな現代人の食生活にもおすすめの料理と言えます。

DELISH KITCHENのおばんざいレシピ

おばんざいのレシピをご紹介します。京野菜やおばんざいによく使われる野菜を使って素材を活かした料理を作ってみましょう。

京風おばんざい!オクラと湯葉のおひたし

とろりとした湯葉の舌触りとオクラの粘りの相性がいいレシピです。めんつゆを使って簡単に作ってみましょう。わさびのピリッとした辛味もアクセントになりますのでぜひ添えてみてくださいね。

箸休めに!菜の花の煮浸し

春を感じる菜の花で旬を楽しむ一品を作ってみましょう。彩りが良く、ひな祭りの一品としてもおすすめです。菜の花はつぼみの状態が食べごろですので、花が咲いていないものを選んでくださいね。

やさしさがしみ渡る!若竹煮

たけのこの煮物の定番、わかめと煮る若竹煮は素朴な味わいが人気のメニューです。わかめは火を通しすぎると色や食感が悪くなってしまうので、さっと煮ることがコツですよ。

手軽にアレンジ!かぼちゃのいとこ煮

かぼちゃとあずきの素朴な甘みがおいしい一品です。こちらはあずき缶を使った簡単アレンジメニューです。かぼちゃの面取りをすることで煮崩れを防止し、見た目もよくなりますよ。

食卓のアクセントに♪たこと九条ねぎの酢味噌和え

九条ねぎ特有のぬめりと白みそが合うおすすめのレシピです。九条ねぎの食感を損なわないようにさっと茹でるのがポイントです。九条ねぎを茹でたあと、しっかりと水気を切ることがおいしさのコツですよ。

だしが香る♪壬生菜と油揚げのさっと煮

アブラナ科の水菜と仲間の壬生菜はピリッとした辛味を持つ京野菜です。優しい出汁の味と壬生菜の辛味が絶妙に合う大人向けの一品です。柚子胡椒を添えてもおいしいですよ。

肉厚で食べ応え抜群♪賀茂なすの揚げ浸し

加熱することでとろりとした食感になる賀茂なすは揚げ浸しがおすすめです。薬味には大根おろしや大葉の他に、しょうが、ねぎ、みょうがなども合いますので、お好みでアレンジしてみてくださいね。

甘みが強く食べやすい♪万願寺とうがらしのカリカリじゃこがけ

万願寺とうがらしは辛味がないため、辛いものが苦手な方でもおいしく食べられますよ。カリカリに焼いた甘辛のじゃこに柚子胡椒がアクセントになった箸の進む一品です。

トロトロとろける!聖護院大根の煮物

煮崩れしにくい聖護院大根は煮物にぴったりの京野菜です。こちらは煮込んでとろとろになった聖護院大根の食感と優しい出汁の味がおいしい、おばんざいの定番メニューです。

おばんざいとは伝統のある料理

京都の日常の惣菜である「おばんざい」は、かつて新鮮な魚介類などが手に入りづらかった京都で身近な野菜や乾物を無駄なく使い切る料理として普及し現代まで受け継がれてきました。

野菜を多く取り入れ、素材の味を活かした栄養バランスのいいおばんざいは、からだが喜ぶほっとした味わいを楽しめます。今回ご紹介したレシピは簡単に作れるものばかりなのでお好みのレシピを選んで、ぜひおばんざいを作ってみてくださいね。

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