きくらげの栄養について解説!おすすめレシピもご紹介
作成日: 2021/10/28
きくらげは炒め物やナムル、中華スープなどの中華料理に欠かせない食材です。コリコリとした食感が魅力的なきくらげですが、どのような栄養が含まれているのか気になりますね。
この記事では、きくらげの種類や栄養、戻し方を解説します。きくらげを使ったおすすめレシピもあわせてご紹介します。
きくらげとは
きくらげとは、シロキクラゲ科シロキクラゲ属も含んだキクラゲ類の総称です。きくらげという名前からクラゲの仲間だと思うかもしれませんが、きのこの仲間です。コリコリとした食感がクラゲに似ていることから、木に生えるクラゲということできくらげと名付けられました。
漢字で書くと「木耳」と書きます。これはきくらげの形が人の「耳」に似ていたことから、木に生える耳で「木耳」と書くようになったと言われています。
きくらげは日本各地に自生していますが、食用として流通されているものはほとんどが栽培されたものです。栽培方法は原木栽培と菌床栽培の2種類があります。
原木栽培はブナ、カエデなどの原木に穴を開けて種菌を植えて栽培する方法です。菌床栽培はおがくずと米ぬかなどの栄養をブロック状にしたもの(菌床)に種菌を植えて栽培する方法です。原木栽培は管理が大変ということもあり、一般的には菌床栽培が行われています。
きくらげの旬は6~9月頃で、菌床栽培のものは通年出回っています。現在日本で流通しているきくらげのほとんどは国産の輸入品の乾燥きくらげですが、国内でも生産されています。国内できくらげが生産されるようになってから、生きくらげが流通するようになりました。
生きくらげの主な産地は岐阜県、茨城県、新潟県で、乾燥きくらげの主な産地は北海道、鳥取県、鹿児島県です。
きくらげの種類
ここからは、きくらげの種類について解説します。
あらげきくらげ
キクラゲ科キクラゲ属のきのこです。表面に白っぽい毛が密集して生えていることから、あらげきくらげと名付けられました。
漢字では「荒毛木耳」と書きます。
南方系の品種で国内で栽培、流通しているほとんどのきくらげはあらげきくらげです。主な産地は岐阜県や茨城県です。円盤状や耳状の見た目で、きくらげに比べて大きくゼラチン質で肉厚です。色は生の状態では茶色く、乾燥すると黒くなります。
無味無臭で、きくらげよりもコリコリとした食感を味わうことができます。
きくらげ
キクラゲ科キクラゲ属のきのこです。円盤状や耳状の見た目で、あらげきくらげよりも小さく、毛も目立ちません。北方系の品種なので、あらげきくらげよりも低い温度で発生し湿気を好みます。
色は暗褐色、無味無臭でコリコリとした食感です。乾燥すると小さく縮んでしまうので、乾燥には向いていません。
白きくらげ
シロキクラゲ科シロキクラゲ属のきのこです。中国では銀耳(ぎんじ)と呼ばれており、世界三大美人の楊貴妃も愛用していたとのこと。日本で流通している白きくらげは全て中国から輸入されたもので、乾燥したものが薬膳料理の高級食材として販売されています。
色は半透明、無味無臭でコリコリとした食感です。花びらのような見た目で、台湾スイーツの豆花をはじめデザートに使われることが多いきくらげです。
ひめきくらげ
シロキクラゲ科ヒメキクラゲ科のきのこです。漢字では「姫木耳」と書き、世界中に分布しています。ゼラチン質で大小様々な形の球が集まったような不定形な見た目をしており、表面には多くの突起があります。
乾燥すると海苔のようにパリパリになってしまいますが、水分を吸収すると元に戻ります。色は茶色、無味無臭で口の中に入れると分裂してしまうため食感はあまりよくありません。一般的に食用には向いていません。
きくらげの栄養について
きくらげの栄養についてご紹介します。
きくらげ(生)、きくらげ(乾燥)、白きくらげ(乾燥)を比べてみましょう。
きくらげの栄養
きくらげ100gあたりのカロリー、たんぱく質、脂質、炭水化物は以下の通りです。
・きくらげ(生)100gあたり
カロリー:14kcal
たんぱく質:0.7g
脂質:0.1g
炭水化物:5.4g
・きくらげ(乾燥)100gあたり
カロリー:184kcal
たんぱく質:6.9g
脂質:0.7g
炭水化物:77.0g
・白きくらげ(乾燥)100gあたり
カロリー:170kcal
たんぱく質:4.9g
脂質:0.7g
炭水化物:74.5g
きくらげ(乾燥)は白きくらげ(乾燥)と比べてカロリー、炭水化物、たんぱく質が多く、脂質は同じです。
カリウム
きくらげ100gあたりに含まれるカリウムは以下の通りです。
100gあたり
・きくらげ(生) 59mg
・きくらげ(乾燥) 630mg
・白きくらげ(乾燥) 1400mg
白きくらげ(乾燥)に最も多くカリウムが含まれています。
カリウムは人体に必要なミネラルの一種で、体内の浸透圧が一定に保たれるように調節する働きをしています。
体内のナトリウムの排出を促進する作用があるため、塩分をとりすぎたときに調節してくれます。
ビタミンD
きくらげ100gあたりに含まれるビタミンDは以下の通りです。
100gあたり
・きくらげ(生)0.1μg
・きくらげ(乾燥) 130.0μg
・白きくらげ(乾燥) 15.0μg
きくらげ(乾燥)に最も多くビタミンDが含まれています。
ビタミンDは、カルシウムの吸収促進や骨の成長促進などに欠かせない栄養素で、健康な骨や歯を維持するために必要な脂溶性ビタミンのひとつです。
また、ビタミンDには免疫機能を調整する働きがあります。体内にウイルスや細菌などが侵入してきたときに、過剰な免疫反応を抑制して必要な免疫機能を促進することがわかっています。
ビタミンDは脂溶性ビタミンなので、脂質を含む動物性食品から摂取したほうが吸収されやすいという特徴がありますが、キクラゲなどのきのこ類でも、炒め物や揚げ物などの油を使った調理法で摂取することでビタミンDの吸収率を上げることができます。
食物繊維
きくらげ100gあたりに含まれる食物繊維は以下の通りです。
100gあたり
・きくらげ(生)5.6g
・きくらげ(乾燥) 79.5g
・白きくらげ(乾燥) 68.7g
きくらげ(乾燥)に最も多く食物繊維が含まれています。
食物繊維とは、食べ物の中に含まれており、人の消化酵素では消化することのできない栄養素です。
整腸作用など身体の中での重要な働きが注目されたことから、「第6の栄養素」ともいわれています。
※きくらげは、あらきくらげの栄養価を算出しております
【出典】
・日本食品標準成分表2020年版(八訂)
【参考】
・厚生労働省e-ヘルスネット「カリウム」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
・厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』「ビタミンD」
https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/10.html
・厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維」
https:/ / www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
乾燥きくらげの戻し方
乾燥きくらげの戻し方は水で戻す方法とお湯で戻す方法があります。水で戻す場合はボールに乾燥きくらげとたっぷりの水を入れ、きくらげが戻るまで水にひたして水気を切ります。
お湯で戻す場合は耐熱容器に乾燥きくらげとたっぷりの湯を入れ、10分ほどお湯にひたして水気を切ります。戻した後は石づき(硬い部分)をキッチンバサミで切り落とし、用途に合わせて食べやすい大きさに切ります。
詳しくはこちらの動画をご覧下さい。
【生】きくらげを使ったDELISH KITCHENのレシピ
生きくらげを使ったレシピをご紹介します。どのレシピも生きくらげ独特の食感を味わうことができますよ。
生きくらげの刺身
生きくらげが手に入ったら試していただきたいのがきくらげの刺身です。生きくらげならではのプリプリとした食感を堪能できる一品です。食べるときは必ず湯通しをして下さい。
きくらげのごま風味サラダ
きくらげ、トマト、きゅうりを中華ドレッシングで和えたごまの風味が豊かなサラダです。ポン酢しょうゆを使っているので、さっぱりと食べられます。彩りもきれいなので食卓が華やかになりますよ。
生きくらげと豚肉の和風マヨ炒め
和風マヨのコクがたまらない野菜炒めです。調味料を先に混ぜておくことで短時間で炒めることができます。キャベツのシャキシャキ感と生きくらげのプリプリとした食感をお楽しみ下さい。
きくらげと豚肉のまぜそば
細切りにしたきくらげと豚肉をたっぷり使ったボリューム満点のまぜそばです。甘辛い豚肉と麺は相性抜群です。熱々のまぜそばと卵黄を絡めながらお召し上がり下さい。
きくらげと卵の炒飯
中華料理といえば炒飯。きくらげと海老を使ったあっさり味の炒飯です。卵とご飯を先に混ぜておくことでパラパラの仕上がりになりますよ。海老ときくらげのプリプリ感がたまりません。
【乾燥】きくらげを使ったDELISH KITCHENのレシピ
乾燥きくらげを使ったレシピをご紹介します。
どんな料理にも合う食材です。ぜひ試してみて下さい。
豆もやしときくらげの中華春雨サラダ
春雨のつるんとした食感、豆もやしのシャキシャキとした食感、きくらげのコリコリとした食感を一度に味わえるサラダです。ごま油の香り豊かな中華ドレッシングでさっぱりといただきます。
きくらげとえのきの塩ナムル
きくらげ、えのき、にんじんをおろしにんにく、塩こしょう、ごま油を合わせた調味料で味付けした塩ナムルです。レンジで加熱するので簡単に作ることができますよ。歯ごたえのある一品で、おつまみにもおすすめです。
えびときくらげの塩炒め
味付けは塩こしょうだけ!えび、きくらげ、キャベツを使ったシンプルな塩炒めです。えびは先に色が変わるまで炒めておいて、味付け前にフライパンに戻して下さい。にんにくの風味がおいしさを引き立てます。
きくらげたっぷり焼きそば
焼きそばにきくらげをたっぷりプラスしたアレンジレシピです。麺は調理前にレンジで加熱しておくとほぐれやすくなりますよ。豚バラの旨味と焼きそばの香ばしい香りが食欲をそそります。
【乾燥】白きくらげを使ったDELISH KITCHENのレシピ
乾燥白きくらげを使ったレシピをご紹介します。白きくらげを使うと料理が華やかになりますよ。
ホタテと白きくらげの中華スープ
ホタテの缶詰、白きくらげ、チンゲン菜、長ねぎを使った具だくさんのスープです。ホタテの旨味がぎゅっと詰まっています。生姜が効いていて、体が温まります。白きくらげならではの食感をお楽しみ下さい。
きくらげと卵の中華風スープ
とろみが優しい、きくらげの食感がアクセントの中華風スープです。ごま油で野菜をじっくり炒めることで、野菜の旨味を引き出します。優しい味付けで、体の芯からあたたまります。
きくらげを普段の料理に取り入れよう
この記事では、きくらげの種類や栄養、戻し方、きくらげを使ったレシピについてみていきました。国内で流通しているきくらげは中国産の輸入品がほとんどでしたが、国産のきくらげも増えています。スーパーなどで生きくらげを見つけたら、ぜひ試してみて下さい。
きくらげは無味無臭なのでどんな料理にも合います。きくらげの独特の食感が料理のアクセントになります。今回ご紹介したレシピを参考に、きくらげを普段の料理に取り入れてみてはいかがでしょうか。