味噌汁の塩分について解説!味噌汁の塩分を抑える方法もご紹介
作成日: 2021/10/20
日本の食卓に欠かせない味噌汁。味噌汁は頻繁に食卓にあがるので、塩分をとりすぎないように気を付けている人は味噌汁の塩分が気になるのではないでしょうか。
この記事では味噌汁の塩分について解説します。味噌汁の塩分を抑える方法やおすすめのレシピもご紹介しますので参考にしてみてください。
味噌汁に含まれる塩分量
まずは味噌汁1杯(味噌大さじ1=18g)に使われる味噌の食塩相当量をみていきましょう。
米みそ(淡色辛みそ)2.2g
米みそ(赤色辛みそ)2.3g
米みそ(甘みそ) 1.1g
豆みそ 2.0g
麦みそ 1.9g
減塩みそ 1.9g
即席みそ(ペースト)1.7g
食塩相当量は米みそ(赤色辛みそ)が2.3gと最も多く、米みそ(甘みそ)が1.1gと最も少なくなっています。
【出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)】
味噌汁に使う味噌の量については、以下の記事をご覧ください。
味噌の種類や原料の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
出汁(だし)の塩分
味噌汁1杯(200cc)あたりの出汁の食塩相当量についてみていきましょう。
かつお出汁(荒節) 0.2g
昆布出汁(煮出し) 0.4g
かつお(荒節)・昆布出汁 0.2g
煮干し出汁 0.2g
しいたけ出汁 0g
あご出汁 0g
和風顆粒出汁 0.4g
しいたけ出汁とあご出汁には食塩は含まれていません。
昆布出汁の食塩相当量は0.4gと和風顆粒出汁と同じですが、かつおと昆布の合わせ出汁にすると食塩相当量が0.2gになり塩分を抑えることができます。
味噌汁1杯分の塩分濃度の出し方
一般的に美味しいと感じるみそ汁の塩分濃度は0.8〜1%と言われています。味噌汁1杯分の塩分濃度は下記の計算式で求めることができます。
(味噌の量×(味噌の食塩相当量÷100g))÷できあがりの味噌汁の量(だし汁の量)×100
※味噌の食塩相当量は味噌100gあたりの数値です
【例】味噌汁を淡色辛みそ18g、出汁200mlを使って作った場合、塩分濃度は1.1%となります。
(18g×(12.4g÷100g)÷200ml×100=1.1%
※日本食品標準成分表2020年版の淡色辛みそ100gあたりの食塩相当量は12.4gです。
市販の味噌の食塩相当量は、パッケージの栄養表示で確認することができます。栄養表示には味噌100gあたりの食塩相当量や味噌汁1杯あたりの食塩相当量が記載されていることがあるので、気になる方は確認してみてはいかがでしょうか。
1日の塩分摂取量は?
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年版」によると、1日の塩分摂取量の目標量は健康な成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満となっています。
また、高血圧治療ガイドライン2019 (日本高血圧学会)では、高血圧の予防のためには、男女共に1日6g未満の食塩摂取量を推奨しています。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書
各論 多量ミネラル ナトリウム(Na)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586565.pdf
高血圧治療ガイドライン2019 - 日本高血圧学会
https://www.jpnsh.jp/data/jsh2019/JSH2019_hp.pdf
味噌汁の塩分を抑える方法
味噌汁の塩分を抑える方法をご紹介します。
出汁をとる
かつお節や昆布などで出汁をとると、出汁の旨味成分により風味が増します。顆粒だしは手軽に使えますが、塩分が多く含まれています。
味噌汁を作るときは顆粒だしを使うよりも出汁を使ったほうが味噌の量が少なくても旨味成分でおいしく感じることができるので、塩分を抑えることができます。
基本の出汁の取り方のレシピをご紹介します。ぜひご家庭で出汁を取ってみてください。
かつおだし
豊かな旨味と上品な香りを併せ持つ、かつおだしです。味噌汁やすまし汁の出汁に最適です。かつお節をこすときにかつお節を絞るとえぐみが出てしまうので、絞らないようにしましょう。
昆布だし
昆布の表面の白い粉は「旨味の素」なので、布巾でさっと拭く程度にしましょう。使用する昆布の種類によっても旨味が異なります。昆布は3cm角にきると、切り口から旨味が出やくなりますよ。
合わせだし
かつお節と昆布を使った合わせだしです。かつお節と昆布の旨味の相乗効果で風味が増します。
昆布を入れたまま沸騰させると、ぬめりなど旨味以外の成分が出てきてしまうので沸騰直前に取り出しましょう。
煮干しだし
煮干しは頭や腹が崩れていない艶の良いものを選びましょう。
煮干しの下処理を丁寧に行うことでくさみと苦味が抑えられます。
沸騰させずに弱火で出汁をとるようにしましょう。
しいたけ出汁
密閉容器に干ししいたけと冷水を入れて、冷蔵庫でひと晩戻すだけで簡単に出汁を取ることができます。
干ししいたけは高温で戻すと苦味が出てしまうので、冷水で戻すことがポイントです。
出汁はレンジで作ることも可能です。従来の作り方よりも時短で出汁を作ることができますよ。
レンジで作る!かつおだし
大きめの耐熱容器にかつお節と水を入れ、600Wのレンジで3〜4分ほど加熱するだけの簡単レシピです。
急に出汁が必要になったときにすぐできるのもうれしいですね。
レンジで作る!昆布だし
昆布にキッチンバサミで細かく切り込みを入れ、水に10分つけておくことで旨味が出やすくなります。作るのに時間がかかる昆布だしが手軽にできますよ。
レンジで作る!合わせだし
鍋で作る合わせだしは昆布とかつお節を別々に入れますが、レンジで作る合わせだしは昆布とかつお節を一緒に入れて作ります。
時間も短縮でき、簡単においしいだしが完成します。
塩分が低い味噌を選ぶ
市販の味噌の食塩相当量はパッケージの栄養表示で確認することができるので、購入するときに食塩相当量が低い味噌を選ぶようにしましょう。
具を工夫する
野菜やいもなどカリウムを含む食材を使いましょう。野菜やいもにはカリウムが含まれており、体内のナトリウムの排出を助けてくれる作用があります。カリウムが塩分のとりすぎを調節してくれます。
また具だくさんの味噌汁にすると、汁の量が減るので塩分を減らすことができますよ。
【参考文献】
・厚生労働省e-ヘルスネット「カリウム」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html
DELISH KITCHENの味噌汁のレシピ
さまざまな食材を使った味噌汁をご紹介します。全てのレシピで出汁を使用しています。
基本のみそ汁
豆腐とわかめを使った基本の味噌汁です。味噌は最後に入れて下さい。味噌は沸騰すると香りや風味が飛んでしまうので、沸騰させないようにしましょう。
合わせだしの味噌汁
合わせだしを使った豆腐、わかめ、長ネギの味噌汁です。豆腐は絹豆腐を使っています。豆腐の種類によって食感や味わいが異なるのでお好みの豆腐を使ってください。
昆布だしで作るあさりの味噌汁
あさりと昆布だしの旨味の相乗効果で、上品で味わいのある味噌汁になります。あさりは加熱しすぎると身がかたくなるので注意してください。
干ししいたけと大根のお味噌汁
干ししいたけの戻し汁を使った味噌汁です。しいたけの旨味成分と大根の甘みをたっぷりと味わうことができる一品です。干ししいたけはスライスされているものを使うと戻し時間が短縮できますよ。
冬瓜と油揚げの味噌汁
冬瓜をやわらかく煮込むことで、味噌と油揚げの旨味が染み込み、とろけるような食感を味わうことができます。かつおと昆布の合わせだしを使っておいしくいただきます。
ふのりとなめこの味噌汁
ふのり、なめこ、豆腐を使ったボリュームたっぷりの味噌汁です。ふのりを水で戻しすぎたり、加熱しすぎたりすると食感が悪くなるので注意して下さい。出汁はかつお出汁を使っています。
ねぎとたけのこの味噌汁
煮干し出汁の風味を活かした味噌汁です。ねぎの甘味とたけのこのシャキシャキとした歯ごたえがたまらない一品です。
大根と油揚げの味噌汁
かつおだしをレンジで作る時短レシピです。油揚げの油抜きを行うと、油っぽさが取れて味が染み込みやすくなります。仕上げに細ねぎをちらすことで彩り鮮やかな味噌汁になります。
出汁を使って味噌汁の塩分を抑えよう
この記事では味噌汁の塩分について解説しました。味噌に含まれる塩分は高く感じますが、出汁を使ったり具を工夫したりすれば味噌汁の塩分を抑えることができます。旬の食材を使って季節を味わうのもおすすめです。
今回ご紹介したレシピを参考に、いろいろな味噌汁を楽しんでみてはいかがでしょうか。