里芋と似ているセレベスとは?特徴や違いをご紹介!
作成日: 2021/09/25
スーパーなどで「セレベス」という食べ物を見かけたことはありませんか。
見た目は里芋とよく似ていますが、里芋とは違うものなのでしょうか。
この記事では、セレベスの特徴や里芋との違い、おすすめレシピをご紹介します。
また、セレベスをおいしくいただくために知っておきたい下処理の方法や、正しい保存方法もご紹介するので参考にしてみてください。
セレベスについて
まずは、セレベスの特徴についてご紹介します。
セレベスとは
セレベスは、インドネシアのセレベス島(現スラウェシ島)が原産の、サトイモ科の植物です。
セレベスから伝わった食物なので、セレベスという名前がついたようです。
表面が赤みがかっているのが特徴で、「赤目大吉」や「赤目芋」などと呼ばれることがあります。
セレベスは日本の里芋の一種で、肉質がしっかりしているため煮崩れしにくく、煮物などにも使いやすい品種です。
セレベスは、じゃがいもと同じように種芋から芽が出て増えていきます。
種芋から1番最初に出た芽を「親芋」、周辺に生えてくるものを「子芋」と呼ぶのですが、セレベスは親芋と子芋の両方が食べられます。
里芋も同じように増えていきますが、なかには親芋が硬いものもあり、品種によっては子芋しか食べません。
セレベスの旬・産地
日本での主な産地は千葉県で、秋から冬にかけて収穫されます。
収穫のピークは初冬で、この頃に旬を迎えます。
セレベスの選び方
セレベスを選ぶ際は、皮にひび割れや傷がなく、ふっくらとしたものを選ぶのがポイントです。
触って確かめられる場合は、お尻の部分がやわらかくなっていないものを選びましょう。
里芋との違い
セレベスは里芋の一種ではありますが、違いがいくつかあります。
例えば皮の色で、里芋は表面が黒みがかった茶色ですが、セレベスは赤みを帯びています。
また、里芋は皮をむくとぬめりがありますが、セレベスはぬめりが少ないことも大きな違いです。ぬめりが少ない分、調理しやすいですよ。
さらに、里芋は加熱するとねっとりとした食感になるのに対し、セレベスはホクホクとした食感になります。クセもないので食べやすいでしょう。
セレベスの栄養
セレベスには、どのような栄養が含まれているのかも気になるところです。
生のセレベス、可食部100gあたりに含まれる栄養は以下の通りです。
・カロリー…80kcal
・炭水化物…19.8g
・たんぱく質…2.2g
・食物繊維…2.3g
・脂質…0.3g
この数値を見てみると、たんぱく質や脂質、食物繊維は少ないことが分かります。
【出典:日本食品標準成分表 2020年版(八訂)】
セレベスの皮のむき方
セレベスも里芋の一種なので、基本的に里芋と同様の下処理や調理をします。
ぬめりがある里芋はおいしいものの、下処理が大変なのであまり出番がないという人がいるかもしれません。皮をむく際に包丁を使うのも少し怖いですよね。
しかし、セレベスはぬめりが少ないため、里芋と比較すると下処理が簡単です。
ここからはセレベスでも応用できる皮のむき方を、レンジと鍋に分けてご紹介します。
レンジ
レンジを使い手軽にできる皮むき方法です。
セレベスを洗ったあと耐熱ボウルに入れて、実の半分くらいが浸かる程度の水を注ぎます。
ふんわりとラップをかけて、レンジでしばらく加熱をしましょう。加熱したら竹串を刺してみて、スッと入れば大丈夫です。
冷めると皮がむきにくくなるため、熱いうちにむいてしまいます。キッチンペーパーや布巾を使えば、よりむきやすくなりますよ。
レンジで加熱をしている間に、ほかの調理を進められるのも嬉しいポイントです。
詳しいコツは、こちらの動画をご覧ください。
鍋
ほかの食材の調理でレンジを使っているときなどは、鍋で加熱することも可能です。
ただし、鍋でゆでて皮むきする場合は一度ゆでてしまうため、そのあとの調理が限定されてしまうので注意しましょう。
セレベスを洗ったら鍋に入れて、実がしっかり隠れるくらいの水を注いで中火にかけます。
沸騰してから数分間加熱し続け、竹串がスッと入るようになったらザルに上げて、熱いうちに皮をむきます。
詳しい方法は、こちらの動画をご覧ください。
セレベスの保存方法
セレベスをおいしくいただくためにも、正しい保存方法を確認しておきましょう。
セレベスでも対応できる、里芋の冷蔵保存と冷凍保存、それぞれご紹介します。
冷蔵
セレベスを洗ったらキッチンペーパーや布巾で水気をよくふき取り、ザルの上に乗せて風通しのよい場所で乾燥させます。
表面がしっかり乾燥するまで乾かすのがコツです。
しっかり乾燥したら新聞紙で包み、保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。
低温に弱いため、なるべく冷気が当たらない場所を選びましょう。
こちらの動画では、より詳しくご紹介しています。
冷凍
1度で使い切れなかったセレベスは、冷凍保存も可能です。
皮つきのまま冷凍する場合は、きれいに洗ってキッチンペーパーでしっかり水気をとり除き、ひとつずつラップで包みます。
冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて口を閉じ、冷凍室に入れましょう。
使用する際は、冷凍庫から出したら少し水に浸し、皮をむいてから加熱してください。
ゆでたあとに冷凍する場合は、皮をむいてからボウルに入れて塩を加えてもみ、水で洗い流す作業を、水が濁らなくなるまで数回繰り返します。
そのあと、鍋にセレベスと実がしっかり隠れるくらいの水を入れ、中火にかけて煮立たせます。
水気を切って冷ましたら冷凍用保存袋に平らになるように入れて、空気を抜いて口を閉じ、冷凍室で保存します。
より詳しい解説は、こちらの動画をご覧ください。
里芋を使ったDELISH KITCHENのレシピ
セレベスは里芋と同様にレシピのバリエーションが豊富で、里芋と同じように調理ができます。
ここではセレベスでも作れる、里芋を使ったレシピをご紹介します。
【煮物】
芋類といえば煮物ですね。もちろんセレベスでも、おいしい煮物が作れます。
基本の里芋の煮ころがし
覚えておきたい基本の煮ころがしです。
どこか懐かしい味わいが心までほっこりさせてくれます。調味料の分量も覚えやすいので、ほっとひと息つきたい日のメニューにいかがですか。
里芋と鶏もも肉の煮っころがし
食べごたえのある鶏もも肉を加えて、ボリューム満点に仕上げました。
セレベスを使うと、里芋のねっとりとした食感とはちょっと違った、ホクホク食感を満喫できます。しっかり味が染み込んだ具材に、箸が止まらなくなりますよ。
里芋と豚バラのピリ辛煮
ジューシーな豚バラを大きめに切って、ごろっとした食材を豆板醤やしょうゆでピリ辛に煮込みます。
しょうがやごま油の香りに、豆板醤のピリッとした刺激の組み合わせがたまりません。ビールにもよく合います。
里芋と牛肉のすき煮
大人も子供もみんな大好きな、すき焼き風でセレベスをいただいてみましょう。
しょうゆやみりんの甘辛い味付けは、一度食べたらやみつきになります。牛肉とまいたけの旨味もつまったすき煮です。
【炒め物】
セレベスに合う料理は煮物だけではありません。こちらは炒め物のレシピです。
里芋と鶏肉のねぎ塩炒め
鶏もも肉を加えて、にんにくがきいたねぎ塩炒めにしました。
クセのないセレベスは、ねぎ塩味にもなじみますよ。にんにくとしょうがのスパイシーな風味で、ごはんが進むでしょう。
里芋と豚肉の甘辛炒め
煮物でも相性のよい豚肉は、炒めるとまた違ったおいしさになります。
しょうゆや酒、みりん、砂糖といった基本的な調味料で炒めるだけの簡単レシピです。いつも煮物ばかりになってしまうという人にもおすすめです。
里芋と牛肉のピリ辛炒め
豆板醤やオイスターソースにごま油を使った、ちょっと贅沢なピリ辛炒めはいかがですか。
パンチのある調味料が食材にしっかりからみ、ついつい手が伸びるおかずになります。
【和え物】
セレベスは手軽に作れる和え物にも使えます。
里芋の甘辛おかか和え
かつお節やしょうゆを組み合わせ、純和風の和え物でいただきましょう。
しっかりとした濃厚な味付けは、ごはんにもお酒にもマッチします。揚げ焼きにして調味料を和えるだけの簡単レシピです。
里芋の生姜和え
あと一品追加したいというときにおすすめなのが、こちらのレシピです。
食材はひとつ、調味料はめんつゆにごま油、おろししょうがのみで作れます。しかも加熱にはレンジを使うので、調理工程も最小限です。
里芋のごまポン酢あえ
こちらも材料がシンプルなごまポン酢和えです。
ポン酢しょうゆに白すりごまと、ごま油を混ぜて調味料は完成です。シンプルだからこそ素材の味が際立ちます。おつまみにもよいですよ。
【サラダ】
じゃがいもがポテトサラダなどのサラダに合うように、芋類であるセレベスもサラダにぴったりです。
里芋とツナのポテトサラダ
いつもはじゃがいもで作るポテトサラダを、セレベスで作ってみましょう。
じゃがいものようにホクっとした食感なので違和感がありません。めんつゆを加えたコク深いマヨネーズが、サラダの味に深みを出します。
里芋と水菜のからしマヨサラダ
加熱にはレンジを使用するため、火を使わずに作れるレシピです。
マヨネーズにしょうゆとからしをプラスし、和のテイストを取り入れました。からしの刺激と共にシャキシャキとほっくり、両方の食感をお楽しみください。
里芋と桜海老のエスニックサラダ
材料をフライパンで加熱して作る、温かいエスニックサラダです。
パクチーやナンプラーをたっぷり使いエスニックの香りが漂ううえに、カラフルな色合いも魅力です。セレベスに薄力粉をまぶして焼くと、ドレッシングとの一体感が高まります。
【ご飯物】
ちょっと以外かもしれませんが、セレベスはご飯物にも変身します。
里芋と油揚げの炊き込みご飯
しょうゆ風味の炊き込みご飯です。
食材はお米と一緒に炊飯器に入れて加熱するので、煮たり焼いたりする手間がありません。食べ盛りの子供も満足できるボリュームです。
豚バラ肉と里芋の炊き込みご飯
豚バラ肉の旨味がギュッとつまった、コクうま炊き込みご飯です。
具だくさんなので、これ一品で満足できてしまうかもしれません。あっさり系のおかずを食べたいときにも、ちょうどよいのではないでしょうか。
里芋とたこのおこわ
もち米を使った本格おこわは食感も魅力ですよね。
セレベスとたこを具材にすれば、いろいろな食感を楽しめます。ほのかに漂うしょうがの香りが食欲をそそる炊き込みご飯です。
【汁物】
セレベスを使うと、味噌汁やスープのボリュームがアップします。
里芋とにんじんの味噌汁
セレベスは和食の献立に欠かせない味噌汁にもなじみます。
ササっと作れるので、時間のない朝でも作りやすいですよ。体の芯から温まる味噌汁をしっかりいただいて、元気をもらいましょう。
里芋としめじの味噌汁
こちらはセレベスとしめじで作る味噌汁です。
本格的な小料理屋のような上品な味付けになっています。仕上げにねぎを散らして、見栄えもアップさせましょう。
里芋のミルクスープ
まろやかな優しい味わいのコンソメを使ったミルクスープは、洋風献立の日に組み合わせたいですね。
口に入れるたびに広がるバターの風味、セレベスのなめらかな口当たりで幸せな気分になれそうです。
セレベスと里芋は別物だった!
見た目がよく似たセレベスと里芋は、別物ということが分かりました。
とはいえ、セレベスも里芋の一種なので、里芋と同様の調理方法や保存方法で対応できます。また、セレベスは里芋よりもぬめりが少ないため、里芋に慣れていない人でも比較的扱いやすいかもしれません。
ねっとりした食感が魅力の里芋に対し、セレベスはホクホク食感が魅力なので、実際に口にして違いを確かめてみてください。