豆の種類を解説!それぞれの特徴やおすすめレシピもご紹介
作成日: 2022/03/30
豆はサラダのトッピングや煮物、スープ、和菓子の材料まで、さまざまな料理に使われており身近な食材のひとつです。大豆や小豆などがよく知られていますが、豆にはどのような種類があるのでしょうか。
この記事では、豆の種類を分類ごとに一覧にしてまとめました。あわせて、それぞれの豆を使ったバリエーション豊富なレシピもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
豆とは
豆とはマメ科植物の種子のことで、世界には約650属18,000種のマメ科植物があるといわれています。このうち食用として利用されるものを豆類といい、その数は70~80種類ほどあります。
ダイズ属
まずはダイズ属の豆についてみていきましょう。
ダイズ属とは
ダイズ属の代表的な豆は、大豆や黒豆などです。大豆はゆでたものを煮物やスープに入れて食べるほか、豆腐や納豆、みそ、しょうゆなどに加工されています。品種により、黄色、黒色、緑色、茶色などの色がありますが、一般的に大豆といえば黄大豆のことです。
全国各地で栽培されており、おもな産地は北海道で10〜11月に収穫されます。大豆を未成熟な状態で収穫した種子は枝豆として食べられています。
《下処理》
大豆のゆで方
鍋に大豆と大豆がひたるくらいの水を入れて一晩おきます。中火で熱し、煮立ったら弱火でお好みのやわらかさになるまでゆでましょう。簡単にできるので、ぜひお試しください。
大豆の水煮の作り方
大豆の水煮はサラダや煮物、スープなどさまざまな料理に使うことができます。大豆の水煮はそのまま食べられますよ。大豆によってゆで時間が異なるので、様子を見ながらゆでてください。
《レシピ》
大豆の甘辛炒め
片栗粉をまぶしてカリカリに炒めた大豆に甘辛い調味料がよくからんで、箸が止まらなくなるおいしさです。あっという間にできるので、もう一品ほしいときにもおすすめですよ。
大豆とこんにゃくの煮物
煮汁に材料を加えて煮るだけでできる、やさしい味の煮物です。こんにゃくは煮る前に下ゆですると、こんにゃく独特の臭みやえぐみが取れますよ。具材をプラスしてもおいしくいただけます。
便利に使える大豆水煮を使ったレシピは、こちらで詳しくご紹介しています。
ササゲ属
続いて、ササゲ属の豆についてみていきましょう。
ササゲ属とは
ササゲ属の代表的な豆は、小豆、大納言、ささげ、緑豆などです。小豆は桜餅やまんじゅう、どら焼きなどの和菓子に欠かすことのできないあんの原料です。
おもな産地は北海道で、9~10月頃に収穫されます。小豆の中でも、大粒な品種は「大納言」と呼ばれています。
《レシピ》
本格ぜんざい
乾燥小豆を炊いて作る、本格的なぜんざいです。小豆が指でつぶせるくらいのかたさになるまで煮てから、砂糖を加えるのがおいしさのポイント。また、手作りなのでお好みの甘さに調整できます。
あずきシフォンケーキ
市販のゆであずき缶を使ったシフォンケーキです。ふわふわ食感のケーキとあずきの甘さがよく合います。生クリームと一緒に食べるのもおすすめです。ティータイムのお供にいかがですか。
インゲンマメ属
インゲンマメ属の豆はどのようなものがあるのでしょうか。
インゲンマメ属とは
インゲンマメ属の代表的な豆は、金時豆、うずら豆、大福豆、白花豆などです。甘煮にしたり、甘納豆などの和菓子に使われたりします。おもな産地は北海道です。
《下処理》
白花豆のゆで方
白花豆をご家庭でゆでてみませんか。白花豆をたっぷりの水に入れて一晩おき、鍋に移し替えて水を加えやわらかくなるまでゆでます。豆によってゆで時間が異なるので、かたさを確認しながらゆでてください。
《レシピ》
白花いんげん豆の煮方
じっくり煮込んだ白花いんげん豆の、ほくほくとした食感と甘さがくせになる一品です。煮るときは常に白花いんげん豆が水にひたるようにしてください。煮汁に漬けたまま冷やすと、味がしっかり染み込みます。
基本の金時豆の甘煮
砂糖としょうゆでシンプルに味付けした金時豆の甘煮です。金時豆がやわらかくなるまで煮たら、砂糖を加えてじっくり煮込み、しょうゆを加えてさらに煮込んだら完成です。
うずら豆の甘煮
うずら豆を使った甘煮のご紹介です。ふっくらと甘く煮たうずら豆に、塩を加えることで甘さが引き立ちます。副菜にはもちろん、お弁当のおかずにもいかがですか。
ソラマメ属
ソラマメ属の豆についてみていきましょう。
ソラマメ属とは
ソラマメ属の豆であるそら豆は、さやが上向きにつき、空に向かって実るように見えることから「そら豆」と呼ばれるようになりました。塩ゆでしてそのまま食べたり、炒めたりといろいろな料理に使われます。また、中華料理に欠かせない調味料である、豆板醤の原料としても知られています。
おもな産地は千葉県や鹿児島県です。関東地方より東の地域で行われる春播きと、関東地方より西の地域で行われる秋播きがあり、4月下旬~5月下旬に収穫されます。
《下処理・保存方法》
そら豆のゆで方
ホクホク食感がたまらないそら豆のゆで方のご紹介です。ゆでる前にそら豆の丸いところに浅く切り込みを入れておくと塩味がつきやすく、皮がむきやすくなりますよ。余熱でやわらかくなるので、かためにゆでるのがポイントです。
そら豆の冷蔵保存
そら豆は鮮度の落ちやすい野菜なので、常温保存には向いていません。さや付きのそら豆は新聞紙やキッチンペーパーで包んでから、保存袋に入れ空気を抜いて野菜室で保存します。さやなしのそら豆は保存袋に入れて野菜室で保存します。
そら豆の冷凍保存
そら豆は冷凍保存も可能です。そら豆をゆでて粗熱をとって冷まし、水気をふきとります。冷凍用保存袋に平らにして入れて、冷凍室で保存します。凍ったまま調理ができるので便利です。
《レシピ》
そら豆と高野豆腐の卵とじ
煮汁がたっぷり染み込んだ高野豆腐と、そら豆の香りが絶品の卵とじです。薄口しょうゆを使って、そら豆の色合いを活かして仕上げましょう。やさしい味が体に染みわたる一品です。
そら豆と鶏肉のバターしょうゆ炒め
そら豆を使った炒め物はいかがですか。鶏もも肉、そら豆、長ねぎをバターで炒めた食べごたえのある一品です。そら豆はレンジで加熱するので手軽にできますよ。バターしょうゆの香りが食欲をそそります。
そら豆についてやレシピなどは、こちらで詳しくご紹介しています。
エンドウ属
エンドウ属の豆はさやが食べられるものもあります。
エンドウ属とは
エンドウ属の代表的な豆は、さやえんどう(絹さや)、グリーンピース(青えんどう)、赤えんどう、白えんどうなどです。
さやえんどうは、中の豆が大きくなる前の若いさやを収穫したもので、さやごと食べられます。おもな産地は鹿児島県で、3~6月に収穫されます。
グリーンピースは、エンドウが完熟する前の状態で収穫したもので、豆を食べます。おもな産地は和歌山県で、3~6月に収穫されます。
赤えんどうや白えんどうは、成熟してから収穫したもので、赤えんどうはあんみつや豆大福に使われており、白えんどうは海外の代表的なエンドウです。
ちなみに、豆苗はえんどう豆の若菜で、葉と茎を食べる野菜です。
《下処理・保存方法》
絹さやの下処理
絹さやは口あたりをよくするために、筋取りをしましょう。へたの部分を持って下にゆっくりとひっぱると筋が取れます。反対側も同様に筋を取ってください。ゆでる場合はさっと塩ゆでして、水にさらし水気を切ります。
絹さやの冷蔵保存
絹さやは鮮度の落ちやすい野菜なので、野菜室での保存がおすすめです。乾燥に弱いのでぬらしたキッチンペーパーに絹さやを包み、保存袋に入れ袋の口を閉じて野菜室で保存します。
グリーンピースのゆで方
グリーンピースはさやから実を取り出し、塩ゆでします。塩ゆですることで色が鮮やかになります。ゆで汁の中でグリーンピースを冷ますのが、表面がしわにならずにつやつやに仕上がるポイントです。
グリーンピースの冷凍保存
グリーンピースは冷凍保存が可能です。生の場合は、さやから取り出した実を冷凍用保存袋に入れて、冷凍室で保存します。ゆでて冷凍する場合は、実を塩ゆでしてから保存しましょう。
《レシピ》
絹さやの和風ツナマヨサラダ
絹さやとツナを調味料で和えるだけでできる簡単サラダです。シャキシャキの絹さやに、マヨネーズのコクとごまの風味豊かな和え衣がからんで、箸が止まらなくなるおいしさです。
絹さやの塩だれナムル
ナムルの野菜といえばもやしやほうれん草が定番ですが、絹さやのナムルもおすすめです。ごま油の風味とにんにくの香りがやみつきになる一品です。お酒のおつまみにいかがですか。
豆ご飯
塩味のごはんに、塩ゆでしたグリーンピースを混ぜた豆ご飯です。昆布を入れて炊くことで奥深い味わいに。グリーンピースを後から混ぜるので、色鮮やかに仕上がります。
えんどう豆の特徴やレシピについては、こちらでご紹介しています。
ラッカセイ属
ラッカセイ属の豆について解説します。
ラッカセイ属とは
ラッカセイ属の豆である落花生は、江戸時代に中国から日本へ伝わったときに「南京豆」などと呼ばれていました。その後、花が落ちた地面の中に実がなることから「落花生」といわれるようになりました。
国内のおもな産地は千葉県や茨城県で、9月下旬~10月に収穫されます。
《レシピ》
落花生の甘煮
生の落花生が手に入ったら、落花生の甘煮を作ってみませんか。やさしい味で飽きのこない一品です。渋皮もそのまま食べられますよ。落花生の風味が口の中に広がり、お茶うけにぴったりです。
バターピーナッツ
簡単に作れる手作りのバターピーナッツです。薄皮をむいた落花生をフライパンで炒って、溶かしたバターと混ぜ合わせるだけ。バターの風味と香ばしい落花生は相性抜群です。
落花生の種類やレシピなどは、こちらでご紹介しています。
ヒヨコマメ属
ヒヨコマメ属の豆をご紹介します。
ヒヨコマメ属とは
ヒヨコマメ属の豆であるひよこ豆は、スペイン語名の「ガルバンゾ」という名前でもよく知られています。小粒の豆で、鳥のくちばしのような突起があり、ひよこのような形をしていることから「ひよこ豆」と呼ばれるようになりました。
世界の生産量の約3分の2がインド産で、日本でもカレーやスープ、サラダなどの材料として食べる機会が増えています。
《下処理》
ひよこ豆の戻し方・ゆで方
ひよこ豆はたっぷりの水に浸して、一晩おいて戻します。鍋にひよこ豆と水を入れて中火で煮立たせ、アクを取ったあとにやわらかくなるまでゆでましょう。
《レシピ》
キャベツとひよこ豆のマヨサラダ
キャベツ、ハム、ひよこ豆を使ったマヨサラダです。マヨネーズに砂糖を加えることで、まろやかな味わいに。キャベツはレンジで加熱するので手軽に作れますよ。ひよこ豆の食感が楽しめる一品です。
ひよこ豆のキーマカレー
ひよこ豆をたっぷり使ったキーマカレーです。スパイシーなカレーとホクホクのひよこ豆は相性ぴったりで、ごはんがどんどん食べられるでしょう。カレー粉を調整すれば、お好みの辛さにできますよ。
ひよこ豆とソーセージのトマトスープ
ひよこ豆はくせがないので、さまざまな料理で活躍します。ソーセージと野菜の旨味がつまったトマトスープにひよこ豆をプラスしました。具だくさんで食べごたえがあります。
ヒラマメ属
ヒラマメ属の豆についてみていきましょう。
ヒラマメ属とは
ヒラマメ属の豆であるレンズ豆は、直径約4~8mm、厚さ約2~3mmほどの大きさで、凸レンズのような形をしています。平べったい形をしていることから「ひらまめ」とも呼ばれています。
おもな生産国はインドやトルコなどです。皮付きの茶レンズ豆や緑レンズ豆、皮むき加工をした赤レンズ豆が流通しています。日本ではおもにカレー、スープ、サラダ、付け合わせなどに使われています。
《レシピ》
レンズ豆のサラダ
細かく刻んだ野菜とレンズ豆をオリーブオイル、レモン汁、塩こしょうのシンプルなドレッシングで和えたサラダです。レンズ豆は水で戻さずにゆでることができます。彩りも鮮やかで食卓が華やかになりますよ。
レンズ豆のポタージュ
レンズ豆と玉ねぎだけで作るポタージュです。味付けは塩こしょうでシンプルに仕上げるので、レンズ豆の甘味が引き立ちます。ハンドブレンダーを使うので簡単にできますよ。
レンズ豆の種類や特徴、レシピについてはこちらをご覧ください。
さまざまな豆料理を味わおう
豆には、大豆や小豆など乾燥させたものを戻して食べるものや、グリーンピースやそら豆などそのまま加熱して食べるもの、さやえんどうのようにさやごと食べるものなど、さまざまな種類があります。
乾燥豆は扱いが難しそうですが、水で戻してゆでるだけなので意外と簡単に調理ができますよ。ご紹介したレシピを参考に、豆料理を毎日の食卓に取り入れてはいかがでしょうか。