タラノメやコシアブラも!山菜11種類の解説とレシピ
作成日: 2021/05/02
春の風物詩である山菜は、食卓に季節を感じさせてくれる貴重な食材です。
ところで、山菜にはタラノメ、コシアブラといったように、さまざまな種類があります。それらの名前やその特徴を尋ねられても、すぐには答えられない人も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は春の主要な山菜を11種ピックアップし、特徴や手に入る時期を解説します。おすすめレシピもご紹介するので参考にしてみてください。
山菜について
ここでは、山菜とはどのようなものか解説し、山菜の水煮を使ったレシピもご紹介していきます。
山菜とは
山菜とは、山野など自然環境のもとで育った食用になる植物の総称を指します。
山菜の収穫時期は種類によってそれぞれ異なりますが、最も多く出回る時期は春から初夏にかけてです。
スーパーなどでは下処理した山菜をミックスし、水煮にしたものも販売されています。
山菜を使ったDELISH KITCHENのレシピ
ここでは、山菜の水煮を使ったレシピを4つご紹介します。
・山菜おこわ
もち米とうるち米を合わせ、程よいもっちり感に仕上げた山菜おこわのレシピです。
山菜の水煮は、熱湯でさっと湯がくことで上品な味わいになります。
・おろし山菜そば
相性の良い山菜と大根おろしをのせた、さっぱりそばのご紹介です。
めんつゆを使った簡単調理なので、忙しいときのお昼ご飯にぴったりです。
・山菜つくねうどん
山菜うどんに手作りのつくねをプラスして、食べ応えをアップさせました。
しょうがの風味が効いたつくねに、ほろ苦い山菜が良く合います。
・山菜きんぴら
山菜の水煮を唐辛子とごま油でさっと炒めました。
食感を生かすため、山菜は炒めすぎないように注意しましょう。
タラノメ(たらの芽)について
ここでは、タラノメ(たらの芽)についての基本情報を解説し、おすすめレシピをご紹介していきます。
たらの芽とは
たらの芽とは、ウコギ科タラノキの若芽を指します。
ほろ苦さをもちつつも、えぐみが少なく、もっちりとした食感が特徴です。
たらの芽にはトゲのあるオダラと、トゲの少ないメダラがあり、スーパーなどで売られている栽培物は、ほとんどがメダラです。
手に入る時期は天然物で4~6月頃、栽培物だと2~3月頃になります。
たらの芽については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
たらの芽を使ったDELISH KITCHENのレシピ
ここでは、たらの芽を使ったレシピをご紹介します。
下ごしらえとして、はかまを取り除き、根元の硬い部分は切り落としてから調理しましょう。
・たらの芽の天ぷら
たらの芽が手に入ったら、まずは食べたい天ぷらの作り方をご紹介。
下ごしらえしたたらの芽は、薄力粉をまぶしてから衣をつけると、衣がはがれるのを防ぐことができます。
・たらの芽のおひたし
下ごしらえしたたらの芽をさっと湯がいて、調味料で和えるだけ!
ほろ苦いたらの芽のおいしさを、シンプルに楽しめる一品です。
・たらの芽とベーコンのバター醤油パスタ
たらの芽を玉ねぎ、ベーコンと一緒に炒め、パスタと和えました。
たらの芽のほのかな苦味に、バターと醤油の風味がたまらない一品!
ふきについて
ここでは、ふきについての基本情報を解説し、おすすめレシピをご紹介していきます。
ふきとは
ふきはキク科フキ属の多年草で、地下茎から地上に出てきた葉の柄の部分を指します。
ちなみに、同じ茎から出てくる花のつぼみは「フキノトウ」です。
ふきは比較的クセが少なく、みずみずしい食感が特徴です。
手に入る時期は天然物で3~5月頃、栽培物だと10~5月頃まで楽しめます。
ふきについては、こちらの記事でもご紹介しています。
ふきの下処理
ふきは収穫後、時間の経過とともにアクが増えてしまうため、手に入ったらなるべく早く下処理しましょう。
塩を振って板ずりしてから湯がくと、色味が美しく仕上がり、皮もむきやすくなります。
以下の動画を参考にして、実際に下処理を行ってみましょう。
ふきの保存方法
ふきはできるだけ早くアク抜きし、水につけて冷蔵保存しましょう。
すぐに下処理できない場合は、葉と柄を切り離し、別々に包んで冷蔵保存します。
以下の動画では、ふきの保存方法を生の場合と下処理済みの場合に分けて解説しています。
ふきを使ったDELISH KITCHENのレシピ
ここからは、ふきを使ったおすすめレシピをご紹介します。
・きゃらぶき
きゃらぶきとはふきを甘辛く煮詰めた料理のこと。
ふきは丁寧に下処理し、ツヤのある美しい仕上がりを目指しましょう。
・ふきのだし煮
かつおだしをベースにした優しい味付けが懐かしさを誘う、ふきのだし煮をご紹介。
粗熱が取れ、冷めるまで置くことで、中まで味がしみ込んでおいしくなります。
・ふきとサバの炒め煮
ふきとサバ缶で作る、手軽な炒め煮をご紹介します。
サバの旨味が良くしみたふきは、たまらないおいしさ!どんどん箸が進む一品です。
フキノトウ(蕗の薹)について
ここでは、フキノトウについての基本情報を解説し、おすすめレシピをご紹介していきます。
フキノトウとは
フキノトウとは、キク科フキ属の多年草の、花のつぼみを指します。
フキノトウは山菜のなかでもアクが強く、独特な苦味が特徴です。
手に入る時期は天然物なら1~4月頃、栽培物は12~2月頃です。
フキノトウの保存方法
フキノトウは、濡らしたキッチンペーパーなどで包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存します。
乾燥に弱いので正しく保存しましょう。
こちらの動画で確認してみてください。
フキノトウを使ったDELISH KITCHENのレシピ
ここからは、フキノトウを使ったおすすめレシピをご紹介!
フキノトウは、根元や葉先の黒ずんだ部分や、表皮の汚れを取り除いてから調理しましょう。
・ふきのとうの天ぷら
春の味覚をシンプルに味わえる、フキノトウの天ぷらをご紹介!
葉の部分を優しく開くことで、花が開いたような美しい仕上がりになります。
・ふき味噌
フキノトウを包丁で細かく刻んで油で炒め、甘みそ風味に仕上げた一品です。
フキノトウは変色しやすいので、刻んだらすぐに炒めるようにしましょう。
・ふきのとうのオリーブオイルあえ
下ごしらえしてさっとゆでたフキノトウに、オリーブオイルとほんの少しの醤油と砂糖を加えて和えました。
ほろ苦いフキノトウにオリーブオイルの香りが良く効いた一品!
うどについて
ここでは、うどについての基本情報を解説し、おすすめレシピをご紹介していきます。
うどとは
うどとは、ウコギ科タラノキ属の多年草です。
たらの芽が採れるタラノキとは違い、草に分類されます。
うどは独特の香りとほのかな苦味、そしてシャキシャキとした歯ざわりが特徴です。
手に入る時期は天然物だと3~6月頃、栽培物だと3~5月頃です。
ただし、栽培物は11~2月頃「寒うど」という名前で出回っているものもあります。
うどの保存方法
うどは、新聞紙やキッチンペーパーに包み、日に当たらない冷暗所で保存します。
長く置いておくと苦味やアクが増すので、早めに食べきるようにしましょう。
こちらの動画もチェックしてみてください。
うどを使ったDELISH KITCHENのレシピ
ここからは、うどを使ったおすすめレシピをご紹介します。
うどは切ったら変色しやすいので、サラダや和え物にするときは酢水につけてから使用しましょう。
・うどのきんぴら
うどとにんじんをさっと炒め、シンプルに甘辛く味付けしました。
うどのシャキシャキとした歯ごたえが食欲をそそり、ご飯が進みます!
・うどと菜の花のみそ和え
春を味わう、うどと菜の花のみそ和えをご紹介!
酒はレンジで加熱し、アルコールを飛ばしてから砂糖、みそと合わせるのがポイントです。
・うどとハムのマヨサラダ
うど、きゅうり、にんじん、ハムを細切りにしてマヨネーズドレッシングで和えた一品です。
うどは穂先も皮も使い、余すところなく食べられるのがうれしいポイント!
うるいについて
ここでは、うるいについての基本情報を解説し、おすすめレシピをご紹介していきます。
うるいとは
うるいはユリ科ギボウシ属の多年草の若芽で、正式名は「オオバギボウシ」といいます。
見た目は長ネギのようにひょろっと長く、アクや苦みが少ないのが特徴です。
手に入る時期は天然物が4~5月頃で、栽培物だと2~4月頃です。
うるいを使ったDELISH KITCHENのレシピ
ここからは、うるいを使ったおすすめレシピをご紹介します。
・うるいの酢みそ和え
うるいと酢みそは相性抜群!さっとゆでたうるいのつるんとしたぬめりが、調味料と良く絡みます。
クセがなくさっぱりした口当たりなので、箸休めの一皿にぴったりです。
・うるいとツナのごまマヨ和え
うるいを生のままで食べられる和え物をご紹介します。
旨味のあるツナを合わせることで、グッと食べやすくなります。シャキシャキの食感と、うるいの自然な甘味をお楽しみください。
こごみについて
ここでは、こごみについての基本情報を解説し、おすすめレシピをご紹介していきます。
こごみとは
こごみとは、シダ科の植物の若芽で、クセやえぐみが少ないのが特徴です。
先がくるんとかがんで(こごんで)いるように見えることが、名前の由来だといわれています。
こごみが手に入る時期は4~5月頃。
なお、こごみにはクサソテツから採れる「青こごみ」と、キヨタキシダから採れる茎のが赤みがかった「赤こごみ」がありますが、一般的に出回っているのは青こごみになります。
こごみを使ったDELISH KITCHENのレシピ
ここでは、青こごみを使ったおすすめレシピをご紹介します。
・こごみの天ぷら
繊細なこごみを天ぷらで味わいましょう。
天ぷら粉を使ったレシピなので、気負いなくチャレンジできます。揚げたてに塩を振って召し上がれ!
・こごみとベーコンのペペロンチーノ
いつものペペロンチーノにこごみを入れるだけで、春色の一皿が完成!
こごみは火の通りが早いので、ゆですぎないように注意しましょう。
わらびについて
ここでは、わらびについての基本情報を解説し、おすすめレシピをご紹介していきます。
わらびとは
わらびとは、コバノイシカグマ科のシダ植物の若芽で、葉先がくるんと丸まっているのが特徴です。
山菜のなかでもわらびは特にアクが強いほうで、生食はできません。必ずアク抜きを行ってから調理しましょう。
手に入る時期は4~5月頃です。
わらびのアク抜き方法
わらびは根元の硬い部分を切り落とし、重曹を入れたお湯に6~8時間程度つけてアク抜きします。
このとき、お湯が熱すぎるとわらびの食感が損なわれやすいので、少し冷ましてからつけるのがポイントです。
詳しいコツは、動画でも解説していますので参考にしてみてください。
わらびを使ったDELISH KITCHENのレシピ
ここでは、わらびを使ったおすすめレシピをご紹介します。
・わらびの煮物
わらびを使った定番の煮物をご紹介します。
一度油で炒めてから、ゆっくり味を含ませていくことで、全体に旨味がまわっておいしくなります。
・わらびのおひたし
下処理したわらびを、シンプルに醤油とかつおぶしだけでいただく一品。
ほろ苦いわらびのおいしさを堪能しましょう。
・わらびと塩昆布の甘酢漬け
わらびを下処理したら、塩昆布、唐辛子、調味料と一緒に保存袋に入れてもみ込むだけ!
甘酢にピリッと唐辛子がアクセントになって、おつまみや箸休めにぴったりの一品です。
ぜんまいについて
ここでは、ぜんまいについての基本情報を解説し、おすすめレシピをご紹介していきます。
ぜんまいとは
ぜんまいとは、ゼンマイ科ゼンマイ属のシダ植物の若芽で、先端の渦巻状の部分が綿のようなもので覆われているのが特徴です。
手に入る時期は4~5月頃。
わらびと同様にアクが強く、下処理が必要ですが、下処理してから乾燥したものや、水煮にしたものも通年販売されています。
ぜんまいを使ったDELISH KITCHENのレシピ
ここでは、ぜんまいの水煮を使ったおすすめレシピをご紹介します。
・ゼンマイのナムル
ぜんまいの水煮を使って、簡単ナムルを手作りしてみましょう。
にんにくとごま油の効いた食欲をそそる味付けは、ご飯のお供やおつまみにもぴったりです。
・ぜんまいと油揚げの煮付け
ぜんまいの水煮を使った、素朴な味わいの煮付けをご紹介!
だしの旨味をたっぷりと吸った油揚げと、ほろ苦いぜんまいを堪能できる一品です。
・ぜんまいとなめこの冷そば
ぜんまいとなめこをゆでて、大根おろしと共にのせるだけの、簡単冷やしそばです。
つるっとしたなめことぜんまいのほろ苦さがクセになるおいしさ!
行者にんにく(アイヌネギ)について
ここでは、行者にんにくの基本情報を解説し、おすすめレシピをご紹介していきます。
行者にんにくとは
行者にんにくとは、ユリ科ネギ属の多年草の若芽で、にんにくのような香りが特徴的な山菜です。
主に北海道で採れる山菜として知られ、別名「アイヌネギ」とも呼ばれています。
手に入る時期は、栽培物が1~3月頃、天然物が4~5月頃。
行者にんにくについては、以下の記事でも詳しくご紹介しているので、ぜひご参照ください。
行者にんにくの保存方法
行者にんにくは、湿らせたキッチンペーパーで根元をくるみポリ袋に入れて、立てた状態で野菜室で保存します。
こちらの動画も合わせてご覧ください。
行者にんにくを使ったDELISH KITCHENのレシピ
ここからは、行者にんにくを使ったおすすめレシピをご紹介します。
下ごしらえとして、表面の赤い薄皮をむいてから調理しましょう。
・行者にんにくときのこのナムル
さっとゆでた行者にんにくとエリンギを、醤油やごま油などで調味しました。
シャキシャキとした食感と、行者にんにくの香りを楽しめる春らしい一皿です。
・行者にんにくの甘辛肉巻き
行者にんにくを豚バラ肉で巻き、甘辛く味付けして焼きました。
ピリッと辛い赤唐辛子がアクセントになって、ご飯が進むこと間違いなしの一品!
・行者にんにく餃子
行者にんにくがたっぷり入ったあんを皮で包み、パリッと香ばしく焼いた餃子です。
口の中で広がる行者にんにくの香りをお楽しみください。
せりについて
ここでは、せりについての基本情報を解説し、おすすめレシピをご紹介していきます。
せりとは
せりは、セリ科の多年草です。
さわやかな香りと、シャキシャキとした食感が特徴で、「春の七草」としても知られています。
栽培物はほぼ通年出回っていますが、天然物が手に入る時期は、2~4月頃です。
せりの保存方法
せりは、湿らせたキッチンペーパーで根元部分を包み、全体を新聞紙などで包んでから野菜室で保存します。
こちらの動画も確認してみてください。
せりを使ったDELISH KITCHENのレシピ
ここからは、せりを使ったおすすめレシピをご紹介します。
・せりのおひたし
さわやかな風味がたまらない、せりのおひたしをご紹介します。
せりと調味料はレンジでさっと熱を通し、さっと和えるだけで完成!春らしい一皿をお楽しみください。
・たっぷりせりの鶏南蛮蕎麦
生のせりの食感をを存分に楽しめる、鶏南蛮そばのレシピです。
だしの効いた温かいそばに、さわやかなせりの風味がたまらない一品!
・せりと春キャベツのうま塩鍋
せりの根の部分もおいしく食べられる、うま塩鍋をご紹介!
せりは新鮮なものを選び、根の部分は葉の部分よりもしっかり火を通すのがポイントです。
コシアブラについて
ここでは、コシアブラについての基本情報を解説し、おすすめレシピもご紹介していきます。
コシアブラとは
コシアブラとは、たらの芽と同種のウコギ科の木から採れる若芽です。
見た目はたらの芽に似ていますが、芽の部分にはトゲがありません。また、コシアブラの採れる木はたらの芽と違い大木になります。
手に入る時期は4~5月頃です。
コシアブラを使ったDELISH KITCHENのレシピ
ここからは、コシアブラを使ったおすすめレシピをご紹介します。
下ごしらえとして、根元の硬い部分を切り落とし、はかまを取り除いてから調理しましょう。
・コシアブラのごま和え
さっとゆでたコシアブラを、砂糖、醤油、すりごまで和えました。
苦みのあるコシアブラにごまの香ばしい風味が相まって、たまらないおいしさです。
・コシアブラと豚肉の甘辛炒め
コシアブラ、たけのこ、豚肉を甘辛く炒めた、ご飯にぴったりのおかずをご紹介!
コシアブラは茎と葉に分け、葉の部分は火を通しすぎないようにするのが彩り良く仕上げるコツです。
・コシアブラとじゃこ混ぜご飯
細かく刻んだコシアブラと、じゃこが入った混ぜご飯をご紹介!
コシアブラのさわやかな苦味がクセになる味わいで、箸が進む一品です。
山菜の種類や特徴を覚えよう!
春になるとお店で見かけるようになる山菜。山菜と一口にいっても、たくさんの種類があり、全部は知らないという人も多かったかもしれません。
今回は11種類の山菜にスポットを当て、詳しく解説してきました。
それぞれの特徴や手に入る時期、下ごしらえの方法を知れば、料理のレパートリーも広がります。
ご紹介したレシピもぜひ参考にして、春らしい一皿を食卓に並べてみてはいかがでしょうか。